433.話が出来た
お待たせ致しましたー
◆◇◆
クラウが……しゃべった?
と言うか、テレパシー?
それがいきなり聞こえて……僕はめちゃくちゃ驚いた!!
だって、いきなり頭にアニメ声みたいなちっちゃい子の声が聞こえてきたんだもん!!
驚くのは……無理がないと思う。
口では、相変わらず鳴いているけど、僕の頭の中にはクラウのしゃべっている声が響いているんです。
「ふゅふゅぅ!!(わーい!!)」
クラウは僕に声が届いていることがわかると……ぎゅーぎゅーにしがみついてきた。
胸辺りにぐりぐりしてくるのがちょっと痛いけど……我慢出来ないわけじゃない。
思わず、ヨシヨシしてあげれば、さらに強くなったのでちょっとやめてとお願いした。
「ちょ、痛いよ。クラウ」
「ふゅ?(痛い?)」
「うん、ちょっと」
「……ふゅぅ(ごめんなさい)」
本当に会話出来ているので、クラウは頭を押し付けてくるのをやめてくれた。
代わりに、僕がぎゅっと抱きしめてあげれば『きゃー!』って声を上げたけど。
「……カティア。クラウ、どんな声をしてるんだ?」
皆さんはポカーンとしてたけど、サイノスさんが気になってこっちに来たんだ。
「えーっと……かなり、可愛い声です」
「……男から女か?」
「うーん? どっちにも思えるような?」
そう言えば、クラウの性別ってどっちだっけ?
フィーさんに振り返ると、首をふるふると横に振った。
「じい様から譲り受けてても、僕が全部把握しているわけじゃないし……あと、基本的に神獣には性別はないけど」
「……けど、しゃべり方は男の子っぽいですよね?」
「カティアに影響されているんじゃない?」
「あー……」
僕が『僕』って使っているからかな?
今更……一人称を変えるのは不自然だし、いいのかな?
「ふゅ、ふゅ!(カティア、カティア!)」
うんうんしていると、クラウに呼ばれた。
「なーに?」
「……ふゅ(お腹、空いた)」
「え、ご飯?」
「ふゅー(うん)」
まだお昼ご飯からそんなに時間経っていないけど……僕も小腹が空いてきたし、何か食べたいかも。
「カティア! せっかくだし、ピッツァ作ろうぜ!!」
と、イシャールさんがやる気満々なので、ピッツァとも思ったが……ここは、食べやすさも考慮してパンツェロッティを作ることにしたよ!!
次回は水曜日〜




