表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十四章 異界の春へ
428/616

428.奏樹の安堵

お待たせ致しましたー








 ◆◇◆











 大丈夫……大丈夫。


 痛かったけど……今は全然、痛くない。


 僕らは……生まれ変われた。


 大好きな人達の側に、生まれ変わることが出来たんだから。


 たくさんの神様にも、大好きな人達にも……たくさん助けてもらったんだ。


 だから……『僕』。


 泣かないで。


 苦しまないで?


 僕らは……もう大丈夫なんだ。


 僕は、『僕』をぎゅっと抱きしめてあげた。


 痛がっていて、血もいっぱいだったけど……僕は気にせずに抱きしめてあげた。


 少しずつ……嗚咽が消えていくのがわかってから。


 僕は『僕』の顔を見るのに、少しだけ体を離した。



『……お姉ちゃん、誰?』



 血だらけなのは変わらないが、『僕』は僕の顔を見てくれた。数年大きくなったのか……二十歳の僕なのかはわからないけど、自分自身だとはわからないようだ。



「……僕は、君だよ?」

『……僕?』

「いつかの、君。泣かないで? 絶対大丈夫だから」

『……ほんと?』

「うん」



 強く頷いてあげると……『僕』は僕に抱きついてきて、溶け込むように光の粒になって……消えたのだった。


 そして……気がついたら、僕は。


 いつかの記憶……子供の大きさのセヴィルさんと出会った場面を見ていたのだった。



(か……可愛い!?)



 さっきの殺伐とした記憶とのギャップがあり過ぎて……大好きな人の子供時代の姿と記憶に、僕は胸がキュンキュンとしてしまった!!


 触れたくても触れないけど……レイアークさんと、フィーさんそっくりの神様を見た後には……『僕』が、どれほどセヴィルさんを大好きなのか……心に響いたのだ。


 二つの『心』が重なり合い、大好きな気持ちから『愛する』ものに変わるのは、そんなにも時間がかからなかった。


 実感した後に……記憶から目が覚めると思いきや。


『僕』と出会ったのとは違う、真っ暗な空間にまた出てきたのだ。



『やあ、久しぶり?』



 フィーさんによく似た声。


 振り返れば、記憶にあったフィーさんを大きくしたイケメンさんが立っていた。


 フィーさんと違うのは……目が今の僕と同じ、虹色だったこと。

次回は火曜日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ