424.とうとう知る-①
お待たせ致しましたー
◆◇◆
なんか……フィーさんの様子がおかしい。
少し前もだけど、最近特に。
セリカさんと交代になった、家庭教師の最中もだけど。
僕と一緒にいる時とかは……何かを言いたそうに、視線を向けてくるんだ。
最初は気のせいかな?とでも思ったけど……ここのところは違うと感じていた。
だって、明らかにフィーさんの目がきょろきょろしているんだもん。
「…………フィーさん」
「ん、んー?」
その日の小テストが終わってから、僕はいい加減にしようとフィーさんの顔を見て言うことにした。
フィーさんは、僕と目が合うとさらにと言わんばかりに挙動不審になっちゃったけど。
「あの、僕怒りませんから」
「へ?」
「隠してること、無闇に言いふらしたりしませんよ?」
「え、いや!」
ここまで慌てたフィーさんも珍しいけど、聞きたいことはちゃんと聞きたい。
僕のことに関係するなら、しっかり聞いて納得したいからね?
とにかく、僕が目を逸らせないようにじーっと見つめ続けていると……しばらくして、観念してくれたのか。フィーさんはため息を吐いた。
「言ってくれます?」
「…………言うけど。人数が足りない」
「え?」
「最低……セヴィルがいないと」
「セヴィルさん?」
僕だけではなく、セヴィルさんも?
もう一度聞くと強く頷かれたので……仕方なく、フィーさん経由の識札で彼に来てもらうことになり。
しばらくして……セヴィルさんは慌てて来てくださった。フィーさんの識札に、どんなことが書いてあるのかは読んでいなかったけれど。
「カティアについて、話したいこととは?」
「うん、今から話すよ」
扉をきちんと閉めた後に、フィーさんはまた大きく息を吐いた。
「……教えてください、フィーさん」
僕にとって重要な事ならば……きちんと知っておきたいからだ。
「……うん。まず、最初にだけど」
と、指を一本立てた。
「カティア……君は、異界渡りで……こちらに来たんじゃないんだ」
「…………え?」
僕は……異世界へのトリップで黑の世界に来たんじゃない?
もしか……して、僕は。
一度死んだ……異世界転生で、こちらに来た?
ツッコミ親友から教わったオタク知識と、ファルミアさんの経験を合わせると……すぐにそこに行きつき。
僕は、絨毯の上で膝をついてしまった。
次回はまた明日〜