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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十四章 異界の春へ
423/616

423.言伝(フィルザス視点)

お待たせ致しましたー








 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(フィルザス視点)












 納得いかないんだけど?



「……じい様」



 春期の陽気も気持ちよく、絶好のお昼寝日和だと思って……裏庭の木の上で寝てたら。


 夢路を通じて……じい様に捕まえられたんだ!?



『ほっほ。伝える日が来たから、呼んだまでよ』



 髪とか髭は真っ白だけど……目は、僕と同じかそれ以上に……深い漆黒の瞳。その瞳は口調と同じように、ご機嫌そうにゆるめられていた。



「……伝えたいこと?」

『うむ、あの子によ。お前さんもだが』

「は? 誰?」

『カティアにじゃ』



 と言うことは……まさか、言うの?!


 記憶……だけど、前世の記憶を蘇らせて。自分がファルみたいに転生したことを。


 誰が……でもなく、僕が?


 嫌……と言う簡単なことではない。


 カティアが……耐えられるか心配なんだ。いくら、身体が少しずつ封印が解けても。


 神域の時のような……あんな出来事にはもうなってほしくないんだ!



「じい様……僕には」

『大丈夫じゃ。クラウの成長も加え、神力を通じて足りない部分は補填した。じゃから、心はともかく身体は心配いらん。あの子はただの幼子ではない。信じてあげんか』

「……そう、だけど」



 たしかに……外見に惑われやすいが、カティアの本来の年齢はセリカくらい。


 セヴィルって、御名手(みなて)もちゃんといるし……お互いの気持ちを確かめ合っている。


 僕とは違う……きちんと心の拠り所はきちんとあるんだ。



『もうひとつは……【あの子】が目覚めた』

「……え??」



 あの子……あの子。


 クロノ兄様とかが、言っていたあの子。


 僕の……反対の反対。


 それが……目覚めた?


 びっくりし過ぎて……僕は、しばらく言葉が出てこなかった。



『うむ。その準備をそろそろフィーにも手伝ってもらわねばな? 他の孫らにも当然声はかけた』

「……いつ、なの? 目覚めた……って」

『そちらの時間軸じゃと、昨日じゃな?』

「早く言ってよ!?」



 そんな重大な事、なんで翌日に言うのさ!?

次回は月曜日〜

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