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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十四章 異界の春へ
421/616

421.アクアス・ペンネ-①(イシャール視点)

お待たせ致しましたー








 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(イシャール視点)











 …………なんつー顔してんだが。


 今は上司だが、幼馴染みのいつもとは違う表情に……俺もだが、厨房の連中がビビって引くくらいの状態になった。


 何せ、『冷徹宰相』が『笑顔全開宰相』になっちまっているからな!?



「イシャールさん、またお願いに来ました」



 んでもって、まだ全然公表すら出来ねぇが……こいつの御名手(みなて)であるカティアが軽くお辞儀して、俺に頼み事をしてきた。大方、笑顔全開の婚約者のためだろうが。



「……こっち来い」



 とりあえず、この場で聞いていい内容かわかんねぇから……奥の俺が受け継いだ厨房に二人を招いた。クラウは、器用にカティアの頭に乗っかっているが。



「イシャールさん……アクアスのソース。まだ残っていますか?」

「あ? ……ああ」



 だいたいの見当はついた。


 カティアがゼルのために作った、絶対誰も食えねーアクアスをふんだんに使ったピッツァが……美味過ぎて腹には足りないと感じたんだろう。俺は絶対食わねぇがな!?


 あの残った青のソースは……とりあえず、粗熱取って氷室に鍋ごと保管したが。



「セヴィルさんがまだお腹いっぱいじゃないので……ピッツァは無理でも、パスタを作らせていただきたいんです」

「……ゼルしか食えんな」



 そして、だんだんと笑顔全開になっていくんじゃねぇ!?


 気色悪い!!



「パスタでも、ペン先みたいなあれをいただいていいですか?」

「普通のじゃなくていいのか?」

「ソースがより絡むからです」



 ぜってぇ……俺は味見も何もしねぇぞ!?


 さっきのピッツァでも食わなかったがな!?


 カティアと俺、クラウにもう一度結界を張れば……ウキウキなゼルはほっといて、俺達は調理に取り掛かることにした。


 カティアは氷室や貯蔵庫から探し当てた……青いマトゥラーも使って、さらに青く……薄気味悪いソースを作っていく。


 ソースの味見は……俺らじゃ無理だからゼルにさせたが。


 絶対こいつの顔目当ての女どもに見せたくないくらい……恍惚とした表情になりやがった!!?



「……美味い。マトゥラーが組み合わさって、ピッツァと同じくらい」

「じゃ、これを」



 なんで、さらに刻んだアクアスをリンネオイルの中で炒めるんだ、カティア!!?



「……何してんだよ」

「僕がいた世界だと、代表的な辛いパスタのソースなんですよ」

「……さらに辛くする必要が?」

「僕も初めてなので……うまくいくか」



 少し煙が上がるが、結界のお陰かゼル以外に被害はねぇが……蒼の世界って、マジでどんな食事があんだ??

次回は火曜日〜

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