415.覚悟とは別に(セリカ視点)
お待たせ致しましたー
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(セリカ視点)
覚悟はしていたはずなのに。
エディ……オス様は、全然違う対応をしてくださった。
これから、共に過ごす時間はたっぷりとある……だから、今日は共に寝ようとだけおっしゃって。
私は少し戸惑ったが……あの事件より前には、何度かしていた共寝を実際すると、鼓動が早くなっていく!!
(あ……あったか、い……ち、近い!?)
まだ、口づけもほとんどしていないのに……久しぶりに感じる兄より慕っていた方の温かさに、どうしていいのか頭の中でわけがわからなかった。
抱きしめられるのは、幼い時には何度もあったのに……やはり、お慕いしていた殿方となれば気持ちは全然違う。
身長差の関係で、私の髪にエディオス様の吐息がかかってしまう。その熱さに、私は鼓動がまた早くなっていくのがわかった。
エディオス様が、今日は寝るだけ……とおっしゃっていたのに、これでは全然眠れない!!
「…………寝れねぇか?」
髪に当たる吐息が、艶めかしく感じるのは気のせいじゃないと思いたい。
「……少し」
「……まあ。お前の覚悟、裏切るような真似しちまったからな?」
「い、いえ!」
たしかに……断られることも想定していたが、このような形になるとは思っていなかった。大丈夫かと聞かれたら、大丈夫だと答えてしまいそうになるが……降りかかる熱い吐息に返事がうまく紡げない!!
「んじゃ、あれだな」
エディオス様が、急に楽し気な雰囲気に変わって……少し驚いてしまう。
「……あれ、とは?」
「俺もだが、セリカもここ百年以上は思い出に空白がある。そこ、まず埋めようぜ? 眠くなるまで、くっちゃべねぇか?」
「お話?」
「そ。俺もなんで、『エディ』って冒険者の顔もあるとか」
「……し、知りたい」
お互いに知らない、お互いの思い出。
私が記憶を取り戻してからも、諦められなかった『エディお兄様』への想いとか。
たくさん……たくさん、小さな子供の時のように……エディオス様とたくさんお話出来たお陰か。
本当に子供の時のように……いつのまにか眠ってしまい、起きた時に目に飛び込んできた光景には……あやうく鼻血を噴きそうになったわ!!
(き、綺麗……な胸板!!?)
ミービスさんのところで、たくさんの冒険者を見てきたはずなのに。
露出の多い男女もたくさん見てきたのに。
やはり、想う相手ということもあり……エディオス様のはとても素敵過ぎた。均整が取れていると言うべきか……とにかく、美しい。
思わず……手を伸ばして、触れてみると固くて熱かった。
「……ん」
そして、触れた直後。
エディオス様から漏れたため息が、素敵過ぎて……自分の鼻から鼻血が出ていないか、再度確認してしまうくらいだった!
次回は金曜日〜