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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十四章 異界の春へ
415/616

415.覚悟とは別に(セリカ視点)

お待たせ致しましたー








 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(セリカ視点)












 覚悟はしていたはずなのに。


 エディ……オス様は、全然違う対応をしてくださった。


 これから、共に過ごす時間はたっぷりとある……だから、今日は共に寝ようとだけおっしゃって。


 私は少し戸惑ったが……あの事件より前には、何度かしていた共寝を実際すると、鼓動が早くなっていく!!



(あ……あったか、い……ち、近い!?)



 まだ、口づけもほとんどしていないのに……久しぶりに感じる兄より慕っていた方の温かさに、どうしていいのか頭の中でわけがわからなかった。


 抱きしめられるのは、幼い時には何度もあったのに……やはり、お慕いしていた殿方となれば気持ちは全然違う。


 身長差の関係で、私の髪にエディオス様の吐息がかかってしまう。その熱さに、私は鼓動がまた早くなっていくのがわかった。


 エディオス様が、今日は寝るだけ……とおっしゃっていたのに、これでは全然眠れない!!



「…………寝れねぇか?」



 髪に当たる吐息が、艶めかしく感じるのは気のせいじゃないと思いたい。



「……少し」

「……まあ。お前の覚悟、裏切るような真似しちまったからな?」

「い、いえ!」




 たしかに……断られることも想定していたが、このような形になるとは思っていなかった。大丈夫かと聞かれたら、大丈夫だと答えてしまいそうになるが……降りかかる熱い吐息に返事がうまく紡げない!!



「んじゃ、あれだな」



 エディオス様が、急に楽し気な雰囲気に変わって……少し驚いてしまう。



「……あれ、とは?」

「俺もだが、セリカもここ百年以上は思い出に空白がある。そこ、まず埋めようぜ? 眠くなるまで、くっちゃべねぇか?」

「お話?」

「そ。俺もなんで、『エディ』って冒険者の顔もあるとか」

「……し、知りたい」



 お互いに知らない、お互いの思い出。


 私が記憶を取り戻してからも、諦められなかった『エディお兄様』への想いとか。


 たくさん……たくさん、小さな子供の時のように……エディオス様とたくさんお話出来たお陰か。


 本当に子供の時のように……いつのまにか眠ってしまい、起きた時に目に飛び込んできた光景には……あやうく鼻血を噴きそうになったわ!!



(き、綺麗……な胸板!!?)



 ミービスさんのところで、たくさんの冒険者を見てきたはずなのに。


 露出の多い男女もたくさん見てきたのに。


 やはり、想う相手ということもあり……エディオス様のはとても素敵過ぎた。均整が取れていると言うべきか……とにかく、美しい。


 思わず……手を伸ばして、触れてみると固くて熱かった。



「……ん」



 そして、触れた直後。


 エディオス様から漏れたため息が、素敵過ぎて……自分の鼻から鼻血が出ていないか、再度確認してしまうくらいだった!

次回は金曜日〜

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