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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十四章 異界の春へ
413/616

413.酒に溺れる手前(エディオス視点)

お待たせ致しましたー








 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(エディオス視点)











 セリカと……御名手(みなて)となれた。


 それは、これ以上にないくらいの……最上の出来事になったんだが。


 俺は、ひとつの不満を抱えていた。



(……セリカと会えねぇ)



 親父の前で、御名手との結びつきを認められたとは言え……俺はともかく、セリカは簡単じゃなかった。


 なにせ、百年以上も市井の中に混じって生活していたんだ。故意ではないにしても……リチェルカーレ家に戻ったからとはいえ、行儀作法を学び直し中に……俺の御名手となったんだ。


 つまり、やることが山積み過ぎて……俺との時間が全然無いに等しい。


 カティアの家庭教師もフィーが引き継ぐぐらいだ。神王妃となるまで、ほぼ毎日が大変で済まない。



「……あ〜……」



 食堂で晩酌していても、居るのはセリカじゃねぇ。



「不満が声にも顔にも出てるよ? エディ」



 大酒かっ喰らってんのは、見た目はガキだが実際は遥か長命で唯一神のやつだ。


 いっとき、神力不足で倒れたが今はぴんぴんとしている。



「ま、気持ちはわからなくもないが」



 もう一人、妹の御名手で将来的に義兄となるサイノスもいた。こいつも大酒飲みだから、いくら飲んでも顔色ひとつ変えていない。



「……だってよぉ」



 せっかく。


 せっかく、御名手になったのもだが……セリカが俺と過ごす時間が、まったくと言っていいくらい、無い!!


 恋人らしい触れ合いも……告白と儀式したあの日以来……中途半端なあれくらいだった。口づけも、まだしていない……フィーの呼び出しで邪魔されたからな。



「まあまあ。悠久ほどじゃなくても、長い間一緒にいるんだよ? そう思えば、今くらい大丈夫大丈夫」


「……今すぐ会いてぇ」


「欲望丸出しだな。その声音でセリカの耳元で囁いてやんなよ?」


「…………」



 サイノスの助言の意味がわからなかったが……酒が回って、あまり考えられないかもしれない。久しぶりに飲み過ぎたかと、俺は席を立って部屋に行くことにした。


 セリカ以上に、俺もすべきことはあるので……明日も明日で忙しい。フィーらには適当にしてろと言ってから、いくらかふらつきつつも部屋に向かうと。



「……セリカ?」



 見間違えないくらい、綺麗な薄紫の長い髪の女が……俺の部屋の前に立っていた。

次回は土曜日〜

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