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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十四章 異界の春へ
412/616

412.お風呂上がりのノンアル

お待たせ致しましたー








 ◆◇◆















 アナさんから作って欲しいとお願いされ、ノンアルコールのカクテルを作ることになった。


 ほとんどミックスジュースだけど、その概念もなかったこの世界なので、アナさんが飲んだことがないのも仕方がない。


 お風呂から上がってから……まず、何を作ろうか悩んだ。寝る前だし、あんまり飲み過ぎるとおトイレ事情が大変だからだ。



「アナさん、少し酸っぱいのと甘いのだとどちらがいいですか?」

「まあ。趣向を変えることで、味も違いますの?」

「はい。混ぜる具合によっても違ってきますね」



 種類と量によって変わるのは、普通のミックスジュースでも同じだ。その飲み方がなかったから、アナさんが知らないのも仕方がない。


 とりあえず、甘ったるいのよりはさっぱりしたものが飲みたいことになり……今まで気づかないでいた、小さな氷室保管庫のような冷蔵庫の中を開けさせてもらうことが出来た。



「どちらでもお好きにお使いください」

「ありがとうございます。えーっと、酸っぱいのだと」

「ふゅぅ」



 味見をさせていただいたジュースを選び、パイナップルぽいのとレモンジュース……あとは、何故か種はないけど、パッションフルーツぽいのもあったから。


 せっかくなので、パッションフルーツとパインを使うことにした。



「えーっと……だいたいこのくらいで」



 細長いグラスに、氷、ジュースの順に入れて……マドラーでかき混ぜたら出来上がりだ。



「まあ、美しい色合いですわ!」

「ふゅぅ!」

「混ぜただけですけど、どうぞ」



 クラウにはちっちゃいグラスで作ってあげたので……持たせてあげるととっても喜んでくれた。



「ふゅふゅぅ!」

「こぼさないようにね?」

「ふゅぅ!」

「まあ! 甘くて酸っぱくて……ですが、とても飲みやすいですわ!!」



 お口に合ったようでなにより。


 エディオスさん達だったらゴクゴク飲んだだろうけど、さすがにアナさんは女性だし王女様なのでゆっくりとグラスを傾けたのだった。


 僕も、と自分のを飲むと……予想していた味だけど、パインが多めで良かった。ちょうど良い甘酸っぱさが口に広がっていく。



「ふゅぅ!」



 クラウも気に入ったのか、あっと言う間にグラスの中身を空っぽに。


 もう一杯同じでもいいかもしれないが、せっかくなので……。



「オルジェ、リモニ、パイプ(パイン)の三種類を使います」

「……味が喧嘩しませんのこと?」

「大丈夫ですよー?」



 それぞれの量は加減すれば……出来上がりは、少し黄色寄りのオレンジジュースが出来上がった。



「ふゅぅ?」

「まあ、美しいですわ」

「シンデレラと言うカクテルなんです」

「名前まで可愛いらしいのですね?」



 シンデレラの意味をお伝えすると、少々長くなるのでそう言う名前があるくらいで。


 また新しいグラスをクラウに持たせてあげれば、クラウは翼をピコピコと揺らすのだった。



「ふゅぅ!」

「一気に飲んじゃダメだよ?」

「ふゅ!」



 とりあえず、これで最後のカクテルなので飲んでみると……上質なノンアルとの出会いが口いっぱいに広がったのでした!



「美味しい!!」

「ええ! 甘さも酸っぱさも程よく……これはお酒だとたくさん飲んでしまいそうですわ」

「……お酒、飲みたいです」

「カティアさんは、まだまだいけませんわ」



 日本酒の件もあったので、僕の体はまだまだお酒を受け付けないから我慢するしかないのです。

次回は水曜日〜

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