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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十三章 神王の御名手
407/616

407.セヴィルの過去

新年あけましておめでとうございます!!




「あ。一個だけ面白いのなら」

「なんですか!?」



 面白いのならともかく、セヴィルさんの過去は非常に気になってしまう!!



「閣下が、辛いの好きなのは知っているよね?」

「はい」

「その現場は見たんだよね?」

「……どんなのでした?」



 セヴィルさんからは、ざっくりしか聞いていないんだよね?



「んーと。リチェルカーレ料理長もガキん時だから……二百年以上前だっけ? あの人が、閣下のおやつに大量のカラナ仕込んで……それ絶対食えんだろうって見てたら」

「……食べられたと?」

「ふゅぅ?」

「そーそー。全然平気どころか大喜びって感じで。……ま、仕組んだ料理長と……陛下も盛大にお仕置きされてたけど」

「……想像しやすいですね」



 エディオスさんとイシャールさんだったら、絶対やりかねない悪戯だ。



「それ以外だと……まあ、表情皆無だったのはともかく。神童扱いされてたなあ? 陛下とは従兄弟だったから……馬鹿な連中が騒がなきゃ、次期神王候補にもまつりあげられそうになったし」

「……神王って……エディオスさんがいるのに」

「同年に神王家の血族から男子が生まれたんだ。おまけに、どっちも父親の血を色濃く継いでいる。見た目もだが……まあ、頭の出来も良かった。だから、閣下が継承権を放棄するまでは……ちょっと壁あった感じだったんだよね?」

「……想像しにくいです」



 上下関係はともかく……エディオスさんとセヴィルさんは信頼し合っている関係に見えるのに。


 でも、こっちの世界でも大人の事情に巻き込まれたく無いんだな……と、ちょっとだけは理解出来た。



「ま。閣下にもだけど、陛下にも御名手(みなて)が出来たんだ! 色々騒がしくなるし……噂も消えるでしょーよ」

「噂ですか?」

「さっきも言ったけど、閣下が幼女趣味じゃないかってこと」

「へ?」

「カティアちゃんが御名手かもって噂があるんだよ」

「ぴ!?」

「ふゅぅ」



 やっぱり……セヴィルさんとよく一緒にいるから、そんな噂が立っちゃっているのぉお!?


 嬉しいけど、恥ずかしい……。まだ、元の体に戻ってないから、堂々と言えないんだもん。



「君らは堂々としてていいと思うよ? 今の閣下はいい意味で成長されているし、そこに君がいるんだからさ?」

「え?」

「君に首っ丈な閣下が、手放すわけないっしょ?」

「……は、い」



 まだ一度とは言え、キスした関係にまで行ったのはフォックスさんにも言えないけども!!



「……なんの話をしているんだ?」



 とか何とかしてたら、セヴィルさんが来ちゃった!?



「んじゃ、お邪魔虫はここで」



 フォックスさんもさっさと持ち場に帰っちゃった!?



「……カティア?」

「……あの」



 とりあえず、フォックスさんの厚意とは言え勝手に昔話を聞いたことには……土下座して謝ったら、セヴィルさんにはすぐにやめろと言われました。


 あ、セヴィルさんにはちゃんと誕生日プレゼントのイヤリングを渡したら。



「……生涯、大事にする」



 と、特上の笑顔と共に……僕に感謝の印と盛大にキスしてきやしたあああ!!?

次回は水曜日〜

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