405.悶々悩む
お待たせ致しましたー
セヴィルさんのお部屋だけど。
実を言うと、まだ入るのは二回目だ……。一回目は、お茶会の場所をここにしようと言ってくださったのが最初……アナさんのお部屋ほどではないが、僕がお借りしているお部屋よりは断然に広い。
セヴィルさんは正確には神王族ではないけど、宰相ってお役職になってからは……お寝坊さんがすごいセヴィルさんが出勤しやすいように、エディオスさんが割り振ったそうで。
いつもはきちんと起きていらっしゃるように見えるけど……誰しも欠点がいくつかあっておかしくない。好き嫌いとか特にそうだ。
とりあえず、僕が作るお菓子はほとんど食べていただいているけども。
「……お邪魔しまーす」
「ふゅぅ」
部屋の魔力パターンについては、以前登録させたので僕でも扉を開けることが出来る。中は……色合いは紺とか黒が多いけど、落ち着いた雰囲気だ。
来るのはだいぶ久しぶりでも、やっぱり部屋のインテリアで住む人の性格が出ていると思う。
大きなベッドと個人用の机に椅子以外は……奥にトイレ、とたしかお風呂があったはず。
婚約者になって、体も大きくなったとは言え……まだまだお風呂に一緒だなんて無理だ!!
僕、中身は成人女性!!?
「ええっと……とりあえず」
最近カイツさんから教えていただいた、椅子とテーブルを出す魔術を使った。今の僕サイズのとセヴィルさんのも。
いつ帰って来られるかはわからないけど……ファルミアさんが良いって言ってたから……いいよね?
まだ公表出来ないけど、一部の人達には僕らが婚約しているのは教えているし。
「……あ。シェイルさん達にはどうしよう」
シャルロッテさんもだけど、僕の体が大きくなってフィーさんの記憶は操作された。
それでも、僕がセヴィルさんと御名手になったのは……おふたりも決まったから、出来れば伝えてみたい。
(けど……シェイルさんは結構おしゃべりさんだし)
前、セヴィルさんとお城散策の時とか……式典の時にも噂を広めちゃってた。フォックスさんのお子さんでも、普段は近衛騎士だから?
いやいや、護衛はしっかり任されているし……。
(今も、近くにいるのかな?)
護衛の範囲が常駐ではないから、いつもいるわけないし。
試しに……口笛を吹いてみると。上から、誰かが降りて来た!?
「どしたの? カティアちゃん」
降りてきたのは、シェイルさんじゃなくてお父さんのフォックスさんだった。
「あれ? シェイルさんは?」
「あいつは、本業の方が今忙しいからね? おじさんじゃダメだった?」
「いえ。むしろありがたいような……」
まさか、口笛で出てくると思ってもいなかったので。
とりあえず……お茶にしようと何故かフォックスさんが持ってた携帯用のあったかい紅茶で落ち着くことに。
次回は木曜日〜