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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十三章 神王の御名手
403/616

403.神の威圧(イシャール視点)

お待たせ致しましたー








 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(イシャール視点)











 まったく……俺が気づかなかった?


 阿呆、そんなわけあるか。



(数百年越しの、想いだぞ?)



 セリカが……あの襲撃がきっかけで、俺らから離れ離れの生活を百年以上はしてきたとは言え。


 初恋の想いを……簡単に消せるとは思えない。


 ミービスんとこに厄介になっていた最初は記憶を失っていたそうだが。俺と同じ、魔眼を覚醒してからは……どうにか取り戻したと。


 んでもって、シャルとは学友でもある近衛騎士のシェイルの親父さんであるフォックスに見つかっても……こちら側に戻ることなく、あの街で生活していた。


 気持ちはわからなくもない。


 いざ、記憶が戻ったところで受け入れ先で打ち明けても……誰も信じられそうにないからな?



(……それが、エディに見つかって……あいつの説得で戻るとは)



 余程、エディを想っている証拠だ。決意したことを揺らぐきっかけは……想う相手じゃねぇと無理だしな?


 それがその張本人とくれば、なおさら。



「……ったく。その相手がまさかマジもんで御名手(みなて)かよ」



 神王族に限らず、長命であるこの世界の人間同士……番う相手は、個人差があれど御名手と言う最強の繋がりがある。愛し合う相手、運命の出会いとやらなんやらとも言われているが。


 俺も含め、セリカもその相手が……この短期間で繋がった。


 そのきっかけが……ゼルの御名手で、ある日突然城に来た神王族とは縁戚と偽ってるカティア。


 あの嬢ちゃんがいなきゃ……神王家での御名手が判明しなかった。その分、唯一神のフィーには負担がでかかったがな?


 だが、事実……御名手が決まり……今はてんやわんや状態。


 俺は今、中層料理長ではなく、六大侯爵家であるリチェルカーレ家の一員として。


 エディの親父さん……先代の神王の前で、エディとセリカが跪いているのを……離れたとこで見守っていた。



「……フィー。本当にこのふたりが?」


「間違いないよー? 僕の意見に間違いがあった?」


「いや……ないな」



 フィーはいつも通りの調子で、先代と話をしている。フィーのことを知らなきゃ、ただの生意気なガキが元神王に話しかけているようにしか見えないが。



「馬鹿な事は考えない方がいいよー? エディとセリカは正真正銘の『御名手』。それを阻む子がいるなら……僕だって、容赦しないよ?」



 外見はガキだが、やっぱり神だな。


 あいつが本気で怒っている時くらいに……臣下の連中に向けた威圧感が凄まじかった。


 まったく……まだセリカを手篭めにしようとしてる馬鹿な連中がいたのか? セリカが婆様の若い頃と瓜二つだからって……俺も容赦しねぇが、フィーがあそこまで言うのなら心配はない。


 威圧と共に、魂をとらえたのであれば……神に逆らう連中の末路は手に取るようにわかりやすい。俺が、フィーとエディ達くらいに付き合いが長いせいもある。



「……であれば。我々も認めよう。ふたりがとこしえに続く御名手であることを」



 先代のその一言で、臣下の連中もだが俺もひざまずいたのだった。


次回は金曜日〜

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