399.神の昏睡?
お待たせ致しましたー
ひとしきり、笑い終えた後に……それは起こった。
「「フィー!!?」」
「「フィルザス様!?」」
何事!? と皆さんの声に振り返れば……フィーさんが何故か、倒れたのかサイノスさんに抱えられていたのだ。
「フィーさん!?」
「ふゅふゅぅ!?」
僕らが近くに駆け寄っても、フィーさんはぴくりとも動かなかった。
その代わりに。
「くぴ〜〜〜〜……」
って、可愛らしい声で寝息を立てただけだった。
「「「「「「……………………」」」」」」」
流石に、僕らはびっくりして声を上げたりはしなかったけど……変な空気になった。
「……おい、おい。フィー?」
エディオスさんがフィーさんのほっぺをぺちぺち叩いても、フィーさんはむにゃむにゃするだけでした。
「ふむ。儂の憶測じゃが……」
レストラーゼさんが何か思いついたのか、顎に手を添えられていた。
「何か思い当たるんですか!?」
「うむ。フィーはこの世界でただひとりの神。そして、御名手の儀式は基本的にフィーの力がなければ成立せん。その儀式が……日数をまたいでもかなり頻繁にあった。とくれば、かなりの疲労があったのじゃろう」
「……疲れただけ」
「儂も付き合いは長いが、ここまで儀式が続いたことはないからなあ?」
とは言え、ものすごく慌てることはないみたい?
とりあえず、サイノスさんがアナさんのベッドに寝かせてもフィーさんはちっとも起きなかった。
「なんっつーか、調子狂うな?」
エディオスさんが言うのもちょっとだけわかる。
いつも元気で食欲旺盛で、わんぱく小僧って言葉が似合う美少年神様なのに……こんなに大人しく寝てるのが珍しいんだもの。
「……そうじゃな? 飲み比べでも、儂が若い頃はいつも儂が負けておったわい」
「……じい様が?」
「「マジかよ」」
と言うことは、レストラーゼさんもそれなりにお酒が強いのかな??
「先先代の酒豪のお噂はかねがね……それに勝てるフィーは、唯一神だからって理由で片付けられそうにないわね?」
ファルミアさんが呆れながら言うってことは、相当なみたいです……。
(んー?)
ちらっとフィーさんを見た時に。
フィーさんを……薄い虹色の光が包んだように見えた?
他の人達は気づいていないようで、ふるふるとあちこちを見ていると。
「……今のは」
僕の隣に、いつのまにか立っていたセヴィルさんは気づいていたみたい?
「……セヴィルさん」
「……カティアも気づいたか?」
「皆さんに言います?」
「いや……少し様子を見よう」
「わかりました」
だけど、エディオスさんとかがフィーさんのほっぺをむぎゅむぎゅ引っ張るのは止めに行きましたが!
次回は日曜日〜