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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十三章 神王の御名手
394/616

394.わからない成長

お待たせ致しましたー

 もう一度、姿見を見ても。


 髪は肩から背中くらいまで伸びていて。


 手足も少しながら、すらりと。


 胸も少しふんわりと膨らんでいて。


 どこをどう見ても、八歳くらいだった今までの『僕』じゃない。


 いきなり、どうしたのだろうか??



「……予兆も何もなかったのに??」



 一緒に見ていただいている中で、ファルミアさんのお綺麗な顔の眉間が険しくなった。たしかに、疑うのも無理はない。僕だって、信じられないから!!


 とりあえず、すぐにフィーさんを呼ぶためにファルミアさんが影に向かって窮奇(きゅうき)さんの名前を呼んで命令していた。


 僕は僕で、とりあえず元の服を着ようにも小さいと思っていたら……。



「あり??」

「まあ?」

「……あれ??」



 この世界で最初に着ていた服だけは、今の体のサイズにまで大きくなっていた。試しに着てみるとピッタリで。



「服も成長? ますますファンタジー要素が高い素材ね?」

「……ですよね?」



 クラウ然り、僕まで成長してしまった。


 そのクラウは、僕が服を着てから全力で甘えるのに胸にすりすりしてきているけど……。可愛いので頭をヨシヨシしてあげた。



「はーい? 来たよー?」



 一応ノックしてくださったフィーさんが部屋に入って来ると……僕の姿を見たら、一気に詰め寄ってきてあちこちを観察してきた。



「ふ、フィーさん??」

「うーん?? 封印はまだあるけど……ほころびじゃない? ちょっとだけ解けてる?? 一時的なものじゃないね??」

「じゃあ……」



 徐々にだけど……体が元に戻りつつある!?


 髪色とかはしょうがないにしても!!


 嬉しくなって、やっほー!! とクラウを思わず高い高いしたら……フィーさんに肩を叩かれた。



「まだ安心しちゃいけないよ? なんか兆しとかはあった??」

「……いえ」

「これと言って??」

「ええ。特に何も」

「はい」



 僕らが顔を合わせても、ちっとも浮かばなかった。


 フィーさんはまた思いっきり首を傾げたけど……少しして、僕の頭をぽんぽんと撫でてくれた。僕が少し大きくなったから、その身長差が結構近く感じる。フィーさんはずっと中学生サイズだからね?



「んじゃ、どうしようか? 記憶の差し替えはしとくけど……セヴィルに見せてあげる?」

「そのために! カティアさんにこちらをお着替えしていただこうと!!」

「あ、可愛いじゃん?」



 フィーさんの質問に、アナさんが全力で応対したので……フィーさんにクラウを預けてから、改めてサイズ変更したウェディングドレス風の真っ白なドレスを着てみると……姿見を見たら、どこぞのお姫様かと思ったぁ。



「……着ました、けど」



 恐る恐る、フィッティングルームの外に出れば。


 皆さんの反応は盛大な拍手だった。

次回は土曜日〜

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