393.純白のドレス-②
お待たせ致しましたー
「変換」
ファルミアさんが呪文を唱えたことで。
今の僕には大き過ぎる純白のドレスを……魔術の作用で、どんどん小さくなっていく。出来上がったのは、子供ドレスサイズのものになったのだ。
「さあ、カティアさん! お召替えを!!」
アナさんは僕を着飾らせる気満々だ。セリカさんと言えば、今お着替えするのにフィッティングルームらしいところに行かれているらしい。
「……着なきゃですか」
「カティが気になったんでしょう? ゼルの横に並ぶにはぴったりよ」
セヴィルさんの隣に……。
さっきもちょっとだけ考えちゃったけど……これを着て、セヴィルさんの隣に立てば見劣りしないだろうか?
もちろん、今の僕は子供だから完全には無理でも。
御名手って、婚約者の関係にきちんとなれた今なら。
僕は、少しでも自信が持てるかもしれない。
「……着ます」
ティアラとかは装着の仕方がわからないからあとだけど、ドレスに着替えるのは何度か経験しているので大丈夫。
ファルミアさんからドレスを受け取り、交代のようにクラウを預けてからフィッティングルームに向かう。仮設とは言え、立派なそれに……多分セリカさんが着替えているのとは別の部屋に入り。
中には、着ていたものを置いておける籠もあったので、チュニックとかを脱いで入れておいた。
そのあとに、よっこいしょとドレスを手に取ったら?
「……あれ??」
きちんとサイズ変更したはずなのに……きつい?
腕もだけど、襟のところも頭が通らない……どうして??
「……あれれ??」
ドレスを一度脱ぎ、腕を見たら。
子供サイズはサイズだけど……少しだけ腕が太くなった??
真っ白だけど……伸びてる??
フィッティングルームの中にある姿見くらいの壁に設置された鏡を見ると。
「ふにゃああああああああ!!?」
顔も、髪も、体のあちこちが。
小学校低学年サイズから、一気に高学年サイズにまで成長した僕が写っていたのでした!!?
「カティ!? どうしたの!!?」
「カティアさん!!?」
「カティアちゃん!!」
「ふゅふゅぅ!?」
一大事だと、フィッティングルームのカーテンを開けてくれたファルミアさん達の目にも。
僕が成長した姿を見られ、お互いに顔をポカーンとさせるしか出来ませんでした……。
「「どういうこと??」」
「カティア……さんですわよね??」
「ふーゅぅ!」
ポカーンとされている皆さんを他所に、クラウだけは嬉しかったのか僕に抱きついてきた。大きくなったせいか、少し抱っこするのが楽だった。
次回は水曜日〜