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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十三章 神王の御名手
386/616

386.とうとうか?(サイノス視点)

お待たせ致しましたー








 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(サイノス視点)










 それは偶然だった。


 執務が意外と早く終わったんで、アナと軽く茶でも飲もうかと誘いに行こうとしたら……。



「あら! サイノス様!」



 食堂の方から、俺をもう兄と呼ばなくなった愛しい婚約者が、息を弾ませながら廊下を走っていたのだ。



「お? どうした?」



 アナがここまで興奮すると言うことは余程のことがない限り、ない。



「サイノス様は知ってらして?」

「うん?」

「エディお兄様とセリカのことですわ!!」

「……うん?」



 こいつには、実はあの二人が御名手(みなて)だと言う事実は知らないはず。


 と言うことは、何か進展があったのか。



「御名手の儀式をされましてよ!!」

「…………マジか」

「ええ!!」



 どこで、っつーと……エディの部屋か執務の部屋だろうが。まさか、そんな大胆な場所でするとは……イシャールとかも、上層の廊下だったのを思い出した。



「で、お前さんは何を?」

「セリカの召し物を用意するためですわ!!」

「……わかった。俺はエディんとこに行く」

「あら、いけませんわ」

「うん?」

「今行かれては、おふたりの語らいの邪魔でしてよ?」



 なんだかんだ、アナは母君似だがこう言うところは兄妹なんだなと思った。



「……わかった。他に知っているのは?」

「皆ご存知ですわ。カティアさんは、きっとお祝いのピッツァをご用意なさっているはずですわ」

「そりゃ楽しみだ」



 イシャール達ん時以来だが、あれは何度食っても飽きがこない。


 なら、そちらの様子を見に行こうと食堂に向かえば。


 扉を開けると、もわっと何か温かい空気が流れてきた。



「あ、サイノスさん!」



 中に入ると、料理人用の青い服を着ていたカティアと目があった。



「よ。聞いたぜ? エディ達のために仕込んでいるのか?」

「はい! お祝いですので……特大級のピッツァを!!」

「うん?」



 その割に皿がないように見えたが……テーブルを見ると、ギリギリ取り皿が置ける場所以外、布の上に置かれた『ピッツァ』のサイズに口の端が思わず、ひくっとなった。



「あら? サイノスも来てくれたの?」



 数日前から、ヴァスシードより来訪していたファルミアもだが、夫のユティに……守護妖の四凶(しきょう)らまで、意欲的にピッツァを仕上げていた。



「…………これが、ピッツァ?」

「はい! 発祥の地では特別なお祝いの時に振る舞うピッツァなんです!!」



 いつから仕込んでいたかはわからないが。


 アナの様子から見て、そこまで時間は経っていない。厨房からフィーも出てきたんで、時間操作をして仕上げたのだろう。


 フィーが、立て続けに御名手の儀式に介入したせいか……めちゃくちゃ疲れた表情でいた。

次回は水曜日〜

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