373.順調
お待たせ致しましたー
◆◇◆
立て続け……とは言え、いいこと続きだ。
(いやぁ……良かった良かった)
ジェイルさんとシェイルさんの御名手の儀式も、フィーさんが間に合ったことでひと段落ついたし。
エディオスさんがちょっと大変になるらしいけど……あと、残すはエディオスさんとセリカさんだ。早いこと気持ちを交わして欲しいが……こればっかりは、イシャールさん達のように簡単にはいかない。
世界を統べる王様と、一時期離れていたとは言え、その王様の親族にもなる御令嬢との恋。
お互い両片想いとは言えど……離れていた期間がそこそこ長い。エディオスさんは、その片想いについてはまだ最近気づいたばかり。
つい最近、僕とセヴィルさんがきちんと思いを交わしても……おふたりの方は相変わらずらしい。
それについての、助っ人をどうにか確保しようとは思ったんだけど。
「カティア〜〜!! ピッツァ作ろう〜〜!!」
助っ人の、代表でもあるフィーさんが……僕がサイノスさんと一緒にいる時に、いきなりテレポート魔術でご登場されたのだ。
「……今ですか?」
「ほら! シェイル達の御名手の儀式も終わったんだし……お祝いに作ってあげようよ。イシャール達にも!!」
「あ、それはたしかに」
イシャールさん達にもお祝いについて何も出来ていなかったから……いいかもしれない。
それと……つわりと戦っていらっしゃる、ファルミアさんもそろそろヴァスシードに帰られちゃう。
その前に……一度は、ピッツァを振る舞おう!!
「素晴らしい提案よ、カティ!!」
今日は体調がよろしいのか、ファルミアさんは乗り気でいらっしゃった。
「あんまり無茶してはいけませんよ?」
「とりあえずは大丈夫よ? それに……私もピザトースト以外のピザを食べたいわ!!」
「まずは……試作からですね!」
生地の仕込みなどは、主にフィーさんとファルミアさんの時間操作で楽ちんに。
トマトソースにジェノベーゼはささっと。
具材もいつも通りに……といきたいが、僕らが食べ慣れているのをイシャールさん達に出していいのか悩む。悩むけど……まずは王道がいいかと落ち着くことになり。
先に普通のピッツァを焼いたら……祝うメンバー分だけは、食パンでシカゴ風ピッツァを仕込んだよ?
「……ここ来んの、久しぶりだなあ?」
第一陣を食堂に持って行くと、既にイシャールさん達が揃っていた。イシャールさん以外は初めて来るのか、物凄くそわそわしていたけれど。
「お待たせ致しました! お祝いのピッツァです!!」
だから僕は、緊張をほぐせるようにピッツァを持って行くだけだ!!
次回は土曜日〜