367.共有相談
お待たせ致しましたー
◆◇◆
真っ昼間からだけど……恋愛相談を受けるとは思わず。
ちょっとこれは……僕も調査? をしなくてはいけない。結ばれるとわかっていても(御名手だから……)、ジェイルさんはジェイルさんで、シェイルさんをどう想っているのだろうかと。
なので、識札を使って……まずは、サイノスさんを僕の部屋へ呼ぶことにした。
「……ジェイルか?」
僕がまず、シェイルさんの落ち込みっぷりをお伝えすれば……サイノスさんは大きく髪をかいた。
「…………その様子ですと」
「……ああ。あいつも、シェイルんことで悩んでる」
「言うまでもなく……」
「俺は勝手にそう思ってるが……フィーには?」
「フォックスさんの目の前で、御名手だと……」
「おいおいおい!」
僕もだけど、サイノスさんも大きくため息を吐いた。クラウは、ベッドですやすやと眠っているよ?
「……お前さん。他にも、御名手の連中を抱えているのか?」
「あとはエディオスさん達だけです……」
「そこは同じか……」
「ですね……」
フィーさん、僕に何をさせたいのでしょうか?
「ジェイルもなあ……? あの性格だからか……好きな相手には強く当たってしまうかもしれん」
「ちょっと厳しそうに見えましたけど……そんなにシェイルさんに怒るんですか?」
「近衛名物にもなるくらいだぜ? ほぼ毎日、シェイルを叱っているんだよなあ」
「サイノスさんじゃないんですね?」
「俺より先に、ジェイルが気づくからな」
「……それだけ見ていられると?」
「お前さんもよく気づくなあ?」
いやいや、めざとく気づくジェイルさんの方が強いでしょうから。
とりあえず、くぴっとお茶を飲んで喉を落ち着かせることにした。甘めのハーブティーだから、とっても気に入っているやつです。
「ジェイルさんには個別でお聞きしたいことがあるんですよ」
「なんだ?」
「メープルシロップの件です! 収穫祭の後で、ジェイルさんがご実家経由で探していただけるって聞いてから……全然なので」
「メープルシロップ?」
「樹液なんです。かぶれる可能性はあるのですが、甘くて夢中になるくらい美味しいものなんですよ!」
ピッツァには使いにくいけど……ホットケーキやパンケーキには……絶対合うはず!!
「ほぉ? 俺も聞いておくか? シェイルんことで落ち込んでいるが……美味いもんでも食えば、ちぃっと元気は出るだろ?」
「そうですねぇ?」
美味しいものは、皆さんを元気にしてくれる。
それは……世界を越えても変わらない。
とりあえず、一度ジェイルさんに会いに……クラウも連れて、近衛騎士団の執務室に行くことになりました。
次回は火曜日〜