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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十二章 異界の年明け
364/616

364.そうでありたい(ジェイル視点)

お待たせ致しましたー








 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(ジェイル視点)










 ……どうしようもないのは、わかっていた。



(…………また、強く叱ってしまった……!!)



 誰を、と言うのは俺もよくわかっている。


 近衛騎士のひとりであり、暗部にも少し所属している……シェイリティーヌだ。


 普段から、地方の言葉でおちゃらけていて親しみやすく……男女問わず交友関係が深い。そんな彼女を、副将軍である俺は……少し厳しめに叱ることが多いのだ。


 将軍であるサイノスがあまり叱ることがないので、必然的に俺が叱ることが増える。元の性格もあるが……。



(…………どうしたものか)



 今日も今日とて……恋する女性を叱るなど、男としてどうなのか。……いや、上司としては仕方がないところもあるが。


 俺が執務机で落ち込んでいると、サイノスから乾いた笑いが飛んできた。



「そう思うんなら、強く叱らなきゃいいだろう?」

「…………出来たら、していない」



 これはもう、根付いた性格も関わっているだろうから。



「結構前からって、いつだ? シェイルが入隊した頃か?」

「…………その頃だ」



 あれは忘れもしない……シェイリティーヌが入隊した年。


 俺やサイノスがそれぞれの役職に就任して、数年経ったばかりの頃だ。


 ふわんとした、少しオルジェが強い黄色の髪。


 くりくりとした瞳。


 まだ、地方の言葉を口にする前だったが……俺の身体に雷のような衝撃が走った。


 あれがもう……決定事項だったと言えよう。それでも、普段は副将軍らしく、上司として接してはいるが。


 自他共に認める、厳しい性格のせいで……逆に嫌われているかもしれない。


 あまり聞かないが、他人に愚痴ってはいないようだが……。御名手(みなて)かもしれないと一方的に想っているだけで……彼女はどう思っているのだろうか?


 少し考えただけで、俺はさらに気落ちしてしまう。



「まあ……わかってんなら、捕まえとけよ?」

「……どう言うことだ?」



 サイノスの言葉に意味がわからないと返せば、奴は肩を軽く落とした。



「なんだかんだ、シェイルは人気もんだろう? お前さんがもし御名手ってのはともかく……あちこちの奴らが狙っているかもしれないじゃないか?」

「……そ、れは……!」



 考えて、いなかったわけではない。


 本当に……彼女は気さくで親しみやすい女性だ。


 つるんでいる面子も……ほとんど、同期の男連中ばかり。


 奴らが……シェイリティーヌを……と思うと、腸が煮えくり返りそうだ!!



「俺んとこと同じようにはなるなよ? シェイルがお前さんをどう思っているかはわからんが……イシャール達もくっついたからなあ?」

「……………………リチェルカーレの、か」



 たしかに、お相手はシェイリティーヌと学園では同期だった伯爵家の女性。


 この宮城で……御名手の儀式をされたそうだ。



(何故、こんなにも周りが早く決まるんだ!?)



 俺とて、シェイリティーヌとそうであって欲しいのに!!

次回は日曜日〜

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