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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十二章 異界の年明け
363/616

363.体以外は

お待たせ致しましたー








 ◆◇◆










「「……マジかよ」」

「クラウ……なのか?」



 ミートパイが出来上がり、皆さんに食堂に集まってもらってから……クラウの成長した姿を見てもらった。


 フィーさんのお得意結界があるので、騒いでもメイドさん達が来ることもないよ?



「へー? 丸っこいのが伸びた感じ??」



 久しぶりに会うユティリウスさんは、クラウを抱っこしながらあちこちを見ていた。クラウは嫌がる素振りを見せない、いい子だ。



「ふゅふゅぅ!」

「おー、ヨシヨシ。ほんと大きくなったねぇ?」

「ふゅぅ!」



 でろーんって体をぶら下げると……どれくらい長いのかよくわかる。多分……前がハムスターで、今がうさぎくらいかな?


 本当に、でろーんてしちゃってる……。クラウは全然嫌がっていない。



「クラウの成長も喜ばしいけれど、せっかくのミートパイが冷めるわよ?」

「おお! ミーアお手製のミートパイ!!」

「カティにセリカにも手伝ってもらったわ」



 なので、食べましょうとそれぞれ席に戻り。


 僕はクラウを膝の上に乗せることにしました。



(……何度見ても美味しそう!!)



 みりんと牛乳で艶出しを塗ったことで、香ばしく焼かれた表面。


 焼き上がった瞬間の時ほどじゃないけど……ミートソースの良い香り。


 おやつってことで、小ぶりのミートパイが二個。


 クラウには……ちょっと成長したことでお腹が空くかもしれないと三個にしてあげた。


 まずは僕が……とナイフとフォークを持ち。


 切り込みを入れれば、ナイフを伝ってサクサク感が手にまで伝わってきた。



「「美味しい〜!!」」

「「うんま!!」」



 男性陣のほとんどはお気に召したようだ。


 僕も遅れじ……と口に運べば。



「ほわぁ〜!!」



 パイ生地のサクサク感はもちろんのこと。


 手作りミートソースの味加減もだが、食べ応えもすんごい。パスタのボロネーゼよりは、野菜たっぷりだから日本のミートソースって味付けだけど……これは本当に美味しい!!


 下にあるモッツァレラのようなチーズの伸び具合もすんごい!!


 全部が組み合わされると、より一層美味しかった!!



「ふゅぅ!!」



 クラウも食べたいのか、僕の膝の上でジタバタしていた。


 手も大きくなったし、手で持てるだろうか?


 けど……パイ生地は崩れやすい……。


 フィーさんに、布のナフキンを借りてから……なんとかクラウに装着させて、いいよと僕が言えば。



「ふゅふゅぅう!!」



 パクッと、もぐもぐ。


 それに加えて、パイ生地のサクサクとした音が響いていく。


 まるで、赤ちゃんが乳幼児から一歳くらいに成長したような、お母さんの気持ちになってしまったよ……。


 ただし、歯はあんまり生え揃っていないから……チーズを噛み切るのは大変だったけど。



「……ゆっくりでいいんだよ、クラウ?」

「ふゅぅ……」

「誰も取らないから」

「ふゅ」



 とりあえず、体の変化以外はいつも通りのクラウに成長したのでした。

次回は木曜日〜

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