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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十二章 異界の年明け
362/616

362.扱えること

お待たせ致しましたー

 でも、クラウは全然気にせずに……伸ばした手をファルミアさんに向けてさらに伸ばしていく。


 ヨシヨシ……と、ぽかんとしているファルミアさんの頭を撫でた途端、ちょっとだけその箇所が白っぽく光った。



「ふーゅぅ!」



 僕の頭の上にクラウが乗っているから、どんな風になっているか見えないけど。声を上げた後、ファルミアさんの方で光っていたのが消えていった。



「…………あら?」



 ファルミアさんの方も、何か変化があったようだ。クラウの手が元に戻っていくにつれて……お腹とかを軽くさすったのだ。



「ファルミアさん?」

「ちょっと辛かったのに……消えたわ」

「え?」

「ふゅふゅぅ!」



 と言うことは、今のって。



「ふーん? 姿が成長しただけでなく……魔術も扱えるようになった?」

「ふーゅ?」



 フィーさんが僕らのところに来て、クラウの頭をぽんぽん撫でても……クラウは多分首を傾げているだけだ。大きくなったばかりだから……よくわかっていないのかも。その割に……魔術を簡単に使えるのはすごいけどね?



「けど……ありがとう。お陰ですっごい楽だわ」



 本当に回復されたのか、ファルミアさんは軽快な足取りだった。クラウをヨシヨシすると、クラウは喜んだ鳴き声を上げたよ?



「でも、ミーア? 無理しちゃダメだよ?」

「ふゅ」

「……そうね。これから二年も付き合っていくもの」



 一年近くでも辛いだろうに……それが二年も。


 ご長寿アンドゆっくりの不老を背負う、この世界の人間さんの体の作りは……蒼の世界と全然違う。僕も、フィーさんと出会った後の出来事で、そうなっているらしいけどね!?



「ファルミア様。お野菜が結構しんなりしてきたのですが」



 僕らのやり取りを見つつも、調理に向き合っていたセリカさん……すごぉい!!


 ファルミアさんが確認しにいくと、別鍋でミンチにしたひき肉を炒め。どんどん、ミートソースを作っていく。冷ます工程は魔術で。



「はい。私お手製のパイシートを」



 カット、カット。


 小ぶりの長方形に切ったら……フィーさんがスライスしたモッツァレラチーズのようなチーズを載せ、次にミートソース。その上に、少し切り込みを入れたパイシート。



「僕が、フォークで端を繋げていきましょうか?」

「お願いするわ、カティ」



 なので、分担してミートパイを焼く手前まで作っていき。出来上がったら、窮奇(きゅうき)さんが窯へ入れてくださった。ちょっとシュールに見えたけど。


 そのあとは片付け。背の低い僕に出来ることは限られていたが……出来ることをしている間に……ミートパイの焼けるいい匂いが!!



「ふーゅぅ!」

「いい匂いだね〜」

「ふゅふゅぅ!!」



 大きくなっても、クラウはクラウのままみたい。


 ちょっとだけ、ほっと出来た。

次回は月曜日〜

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