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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十二章 異界の年明け
361/616

361.騙してすり替わり

お待たせ致しましたー








 ◆◇◆










 厨房に行っても、クラウの姿は誰もが受け入れられていました。



「……肉のパイ、ですか」



 マリウスさんはクラウよりも、ファルミアさんが提案したミートパイの方に興味が向いていた。



「そうよ。ひき肉にアリミン……あとは、カッツたっぷりよ。味付けはマトゥラーとかね?」

「それを……今からですか?」

「あなた達の邪魔はしないわ。奥の部屋を借りれる?」

「ええ。少しお待ちください」



 簡単にお片付けをされてから……と、マリウスさんが行かれると、ライガーさんがこっちに来て僕の頭でフードになっているクラウを撫でてくれた。



「クラウちゃんは、今日も可愛いね?」

「ふーゅぅ!」

「うんうん」



 本当に……フィーさんの魔術でいつも通りに過ごせている。全員が全員通用しているわけじゃないけど、ちょっと複雑だ。


 騙しているように思えて……複雑な気分になってしまう。


 とりあえず、マリウスさんに片付けが終わったと声がけがあり……僕らはその部屋でミートパイを作ることになったんだけど。



「パイ生地はどうするんですか?」



 普通に作っていたら……おやつタイムどころか夕飯に突入してしまうと思う。すると、ファルミアさんが影から饕餮(とうてつ)さんを呼んで……まるで某国民ロボットキャラのように、パイシートを取り出したのだ……。



「これで、あとは具材だけよ!!」

「あははは……」

「僕、カッツ選んでくるよ! ミーア、どう言うのがいいの??」

「そうね。火を通したら、もちっと伸びる……固めがいいわ!」

「わかった〜!」

「ファルミア様……私は?」

「セリカは、私やカティと一緒に野菜のみじん切りね?」



 お肉のミンチは、檮杌(とうこつ)さんが豚肉をミンチプレスのようなもので、きちんとひき肉にしてもらえました。


 そこは手で握りつぶすとかがなくて、ちょっとホッと出来た。


 とにかく……僕らは、ひたすら野菜をみじん切りにしていく。


 クラウは僕の頭に乗ったままだが、いい子にじっとしてくれていたよ?



「見つけたよー!」



 フィーさんがチーズ貯蔵庫から戻ってきた頃には、ファルミアさんを中心に具材を炒めるところまで出来ていた。



「ありがとう。…………うーん。ちょっとキツいわ」

「え?」

「ふゅ?」

「大丈夫。軽いつわりよ」

「ファルミア様、私が代わりましょうか?」

「そうね、お願いセリカ」



 まだまだお腹にふくらみはないけれど……妊婦さんは大変なんだな、と経験のない僕には心配することしか出来なかった。



「ふゅ、ふゅぅ!!」



 クラウがファルミアさんに手を伸ばすと……いきなり、お餅みたいにみょーんって伸びた!?


 これには、さすがに全員で声を上げた!!

次回は金曜日〜

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