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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十二章 異界の年明け
360/616

360.クラウの成長-②

お待たせ致しましたー

 モルモットのような。


 フェレットのような、けど毛並みは前と変わらない。


 僕に擦り寄ってきたいと言う無邪気さは相変わらず。


 でろーんって体が伸びているから、抱っこしてみると……結構大きい。僕の小学生体型だと、ちょっと抱っこするのが大変な大きさ。


 例えるなら、子犬がいきなり成犬近くになったくらいの感覚だ。



「ふゅふゅぅ!」



 けど、クラウとしては嬉しそうだったので、僕は一生懸命に抱っこした。



「……神獣を間近であんまり見てきてないから……だけど。クラウは可愛らしいわね?」



 ファルミアさんがこっちに来ると、クラウをぽんぽんと撫でてくださった。それにも。クラウは嬉しいのかすりすりと頭を擦りつけた。



「ふゅぅ」

「けど何故? フィー、いきなり大きくなったのに……なんか欠片とか言っていたようだけれど?」

「神力の欠片さ? クラウのご飯にしてたんだよ」

「…………そう」



 追求するとややこしくなるので、ファルミアさんはそれ以上突っ込んでくるのをやめた。かわりに、クラウをヨシヨシしてあげてたけど。



「……クラウちゃん。可愛い!!」



 で、セリカさんはクラウの可愛らしさにメロメロのご様子です。


 セリカさんが声を上げると、クラウは彼女に向けて大きくなった手を伸ばした。行きたいのかな? と、セリカさんの方へゆっくり近づけば……クラウはみょーんと体を伸ばしたので、セリカさんに渡してあげた。



「ふゅぅ!」

「柔らかいわ! 前の丸っこいのも可愛かったけど……大きくても可愛いわ!!」



 セリカさんくらいだと余裕で抱っこ出来るようだ。僕サイズだとちょっと大変なのに……やっぱり早く封印が解けてほしいと思う。でも、無闇に解いちゃいけないから我慢我慢。


 すりすりとしているクラウは……今更だけど、本当に赤ちゃんのように見える。たしか……性別ってなかったんだっけ??



「……ひとまず、結界は解いて良さげかしら?」



 ファルミアさんがそう言うと、フィーさんが首を縦に振った。



「事情を知っている子達以外には……記憶をすり替えよう。せめて……カティアの封印が解けるまで」



 フィーさんが指を鳴らせば、ドーム型の結界も消えていき……窮奇(きゅうき)さんはファルミアさんの影に潜り込んだ。



「すり替える?」

「マリウスとかライガーはだよ。クラウがこれから成長しないとも限らないし……また成長したら今の魔術の作用ですり替えるようにはしたから」

「……そうですか」



 騙しているわけじゃないけど……僕のことも隠しているし、ゴタゴタが起きた方が大変だもんね。いずれはきちんと打ち明けるから……それまでの我慢だ。



「ふゅふゅぅ!」



 とりあえず、厨房には行こうと決まり。


 僕の頭にクラウが乗るか試してみると。



「……テーマパークの帽子みたいね?」



 ファルミアさんがそう言い出すくらいに、クラウは僕のフードみたいな感じに伸び切った。

次回は火曜日〜

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