356.久しぶりの再会
お待たせ致しましたー
◆◇◆
「さあ今日からも頑張るわよ、カティアちゃん!」
「はい! セリカ先生!」
年が明けて、式典などもだいたい落ち着いてきた日に。
三ヶ日やお正月休みもないこの世界なので、セリカさんとのお勉強タイムも普通に戻ってきた。セリカさんのことを、カイツ先生とは違う意味で先生と呼ぶようになってきた。
一応、緊張感を持って授業に挑んだ方がいいと思って。
授業内容は、これまでと同じように識字中心。
あとは、国史とか世界情勢についてはちょろっと。
メインは、僕が普段役に立つようにと、食材の相互性についてだ。これに関しては、セリカさんも城下町でミービスさんのお手伝いをしていたから……半分以上雑談だ。
最後には、識字や暦などの簡単なミニテストを終わらせて。
「はい、お疲れ様」
ミニテストが終われば……毎回しおしおなくらいに脱力してしまう僕でした。
「結果はまた明後日。明日はカイツさんの方だものね?」
「頑張りますぅ」
「この後は、ゼルお兄様とお茶会?」
「いえ、今日はありませんけど?」
「あのね、私聞いたのだけど」
と、セリカさんが何か話される前に、扉の方からノックする音が聞こえてきた。
僕が対応すると、開けたその先には。
「カティ〜!! 久しぶり〜!!」
数ヶ月ぶりとは言え、相変わらず元気いっぱいのファルミアさんのご登場だった。
そう言えば、式典関係でヴァスシードの皆さんもいらっしゃるかもと、セヴィルさんに聞いたような。
だけど!
「ふぁ、ファルミアさん!? 走っちゃダメですよ!!?」
今まだお腹は大きくなくても、ファルミアさんはおめでたなんだから!!?
待ったをかければ、ファルミアさんは軽く頬をふくらませたけども。
「んもー。まだつわりもほとんどないから大丈夫よ?」
「そうは言いましても、ご本人だけの体ではないです!」
「……カティは心配症ね?」
「日本だったとしても言います!」
「わかったわ」
四凶さん達はいないようだから、ファルミアさんはひとりでやって来られたようだ。ユティリウスさんもいない。
「ところで……今日はなにを?」
久しぶりだから、一緒に何か作るお誘いかと思ったら。
いきなりだけど、彼女にガシッと肩を掴まれた!?
「あんな短期間に、なにがあったの!?」
「「何が??」」
セリカさんもまだ一緒にいるので、思わず声を揃えてしまう。
「あなたとゼルのことよ!!」
「……あ、はい」
たしかに、識札を数回飛ばしている間に……気持ちを意識し出してから、ちゃんと恋人以上に婚約者になるスパンがはやかった。これについては……ちゃんと説明した方がいいかもしれない。
『実は……』と、前置きを置いて。体調不良になる前と後を順序づけて話せば。
終わった後に、ファルミアさんは床の上で『orz』って懐かしい土下座ぽい姿勢になってしまった。
次回は木曜日〜