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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十一章 異界の年の瀬
348/616

348.怒られないピザトースト

お待たせ致しましたー

 四角パンこと食パンが、何故か大量にあったので……食べ応えもある、ピザトーストを作ることにしました。


 フィーさんには、玉ねぎをスライス。


 イシャールさんにはみじん切り。


 僕は、フィーさんが亜空間収納で保管してくれていたウスターソースを使い、ピザソース作りに。


 シュレッドチーズについては、イシャールさんがすぐにスライスを終わらせた後に取り掛かってくださいました。


 ここでひとつ、僕は思い出したことが。



「厨房はシャルロッタさんに任せているんですか?」



 いつもなら、とっくにお叱りに来られているだろうに……さっきから全然来る気配がないんだよね?



「シャルなら、風邪で家にいる」

「……風邪ですか?」

「つか、俺以外は大抵の連中風邪だ。交代でなるから、厄介だ」

「……ここにいていいんですか?」

「食堂のピークは過ぎた。ちぃっとくらいは良い」



 風邪かあ……僕もついこの間かかったばっかりだから、またかかったら大変だし油断してはいけない。風邪は万病のもとだとも言うからね?



「イシャールさんは平気なんですか?」

「俺……つーか、魔眼持ちは基本的に丈夫な身体なんだよ。だろ? フィー」

「そだね? 眼の所持者がひ弱だと困るし」

「……結構適当な理由ですか?」

「僕が決めたわけじゃないからね? ほとんど、神霊(オルファ)達だからさ」

「……リーさん達ですか」



 リーさんの性格考えると、余計に適当な理由がしてきました。


 そうこうしている間に、ピザトーストも焼きの準備が出来たので……天板に載せたトースト達をイシャールさんに窯の中へ入れてもらうことに。


 チーズとソースの焼けてくる匂いに、クラウの我慢出来ないお腹はさらに限界を告げてきた。



「まだだよ、クラウ?」

「ふゅ」

「ってか。クラウも……ただの聖獣じゃねぇよな?」

「もう言っちゃうけど、じいさまから預かってた神獣」

「…………カイツのこともあったが、大丈夫かぁ?」

「だーいじょーぶ。誰が御名手(みなて)か言ったでしょー?」

「……最恐の婚約者だな」



 今、強いじゃなくて、恐いの最恐って言いませんでしたか??


 とりあえず、ピザトーストはツナマヨ、ピーマンの二種類だったけど……イシャールさんにも、手軽にピッツァのような味が食べられると喜んでくださり。


 クラウには、そこそこ満足するくらいの量を食べたのでお腹をけきゅっと言わせて満足してくれたよ?



(けど、そっかあ……セリカさんと同じくらいの背丈)



 魔眼持ちの人にはそう見えていた。……僕の元の身長は、たしかにセリカさんくらいだったしね?


 いつか、ちゃんと封印が解けて元に戻れるのなら……セヴィルさんのこ、婚約者として堂々と並んで歩ける。それが嬉しくなり、僕はピザトーストを食べてから……つい、えへへと笑ってしまった。



「どーしたぁ?」

「望みが持てたからでしょ? セヴィルと正式に婚約者になったのついこの前だし」

「……この城に来てからじゃねーのか?」

「気持ちの方はほんと最近」

「ゼルの奴……辛抱深いなあ?」

「君も大概じゃない?」

「……言うな」



 そういえばそうだった。


 冬になる前に教わったきりだけど……イシャールさんにも御名手がいらっしゃる。しかも、両片思いで。



(今このお城にはいなくて、風邪かあ……)



 心細いかなあ、シャルロッタさん……。

次回は日曜日〜

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