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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十一章 異界の年の瀬
346/616

346.ここでバレて

お待たせ致しましたー








 ◆◇◆












 抱えられて連れて来られたのは……今はイシャールさん専用の厨房室。


 僕とクラウは中に入るとあっさり下ろされたけれど……イシャールさんがちょっと怖い目で僕を見下ろしてきたんです!?



「い、イシャール……さん?」

「カティア……一個聞いていいか?」

「はい?」

「ふゅ?」



 なんか、仁王立ちのように僕達を見下ろしている様子が怖い……。でも、何か重要なことかもしれない。ここに連れてきたのは、ゴルゴンゾーラを含める料理をまた作ってくれないかと言われるだろうし。



「……お前、本当に今の外見通りの歳か?」

「へ?」

「ふゅ」



 全然違うことを聞かれたため、僕も変な声が出てしまった。


 僕の反応に、イシャールさんは何かを確信したのかニヤついた笑顔になっていく。



「目についてはまだはっきり視えねぇが……なんだ? さっきお前を見かけた時に、視えたんだぜ? お前の身体がセリカくらいでかく視えた」

「……はい??」

「俺は見解の魔眼持ちだぜ? 特に綻びかけてる封印なら……っで!!?」



 僕がダラダラと冷や汗を流していると……イシャールさんの後ろから大きなハリセンが登場して、イシャールさんの後頭部を強く叩いた。


 誰だと言うまでもなく……やっぱりフィーさんで。イシャールさんが床に倒れたら、ぐりぐりとハリセンの先で頭をいじっていく。



「は〜〜……、やっぱりイシャールにはバレたかぁ」

「フィーさん」

「ふゅ」



 イシャールさんが大丈夫か少し気になったけど、うめいていたから……多分大丈夫みたい。



「封印がちょーっと解けかけていたからって、イシャールに見つかるとはねぇ? セリカにもちょっと相談されていたし……まさか、問い詰めるとは思わなかったけーどーぉ?」

「……離しやがれ」

「言いふらさない?」

「お前が関わってんなら……よっぽどだろ」

「ん」



 最後に軽くペシペシと叩かれてから……痛かったのか、頭を撫でながらイシャールさんはゆっくりと起き上がった。



「んで? 俺が見えたカティアの身体はセリカくらいだったぜ? 一瞬、どこぞの令嬢かと思いかけたが」

「ぼ、ぼぼぼ、僕が……ですか!!?」



 大した容姿なんて持ち合わせていないのに、恥ずかしいですよ!!?


 ぶんぶんと両手を顔の前で振ると、イシャールさんは何故か首を横に振った。



「いや、マジで。お前なんだぁ? 前に先代らの前で発表したような家柄とかにしたって、おかしいぞ??」

「え、えっと……」

「まだまだ封印は僕でも解けないんだから、カティアに問い詰めないの!」

「……わかったから、それはやめてくれ」



 にゅっと、フィーさんがハリセンをイシャールさんに突きつけたので、イシャールさんは大人しくなりました。


 けど、もう秘密には難しいので……僕がこのお城だけでなく、この世界に来た事情と……つい先日、セヴィルさんの婚約者もとい、御名手(みなて)になったことをフィーさんがかいつまんで教えると。



「ってわけ」

「…………………………あり得ねぇ」



 思いっきり頭を抱えて、しゃがむ……と言うか、ほぼ土下座体勢で床に突っ伏しちゃいました。



「……えっと……すみません?」

「カティアが謝ることじゃないよ?」

「けど……イシャールさんがうまく飲み込めないようですし」

「多分、半分はカティアの心配と違うことだよ?」

「へ?」



 と、今度はイシャールさんがいきなり起き上がった。



「ゼルが!? ゼルの初恋がカティアだった!!? おまけに御名手!!? カティアの今の外見だったら犯罪だが、俺が視えた奴なら超絶美男美女じゃねぇかよ!!?」

「…………ね?」

「……あはは」



 美女と言うところは訂正していただきたいけど……どうやら、受け入れてくださらないわけではないようでした。

次回は月曜日〜

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