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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十一章 異界の年の瀬
331/616

331.今更だが……

お待たせ致しましたー








 ◆◇◆













 またちょっと寝てたみらいで、次に起きたら……クラウが顔に張り付いていた。


 ぐいーってはがしたら、クラウはキャッキャとはしゃいだ。



「クラウ?」

「ふゅ、ふゅぅ!」

「カティア〜? ご飯持ってきたよ〜?」



 フィーさんの声が聞こえてきたので、そっちを向くと……少し顔の赤いセヴィルさんが一緒にいらっしゃった。ワゴンを押していて……何かあったのだろうか??



「……ありがとうございます」

「ほとんど作ったのは、セヴィルだよー?」

「え?」

「ふゅぅ!」

「……ああ」



 セヴィルさんが料理を??


 不器用のイメージはないけど……フィーさんも一緒だったと思うから、大丈夫かな??


 ワゴンが開くと、美味しそうでクリーミーな香りが!!



「シチューですか??」

「鶏肉たっぷりのやつだよー?」

「僕大好きです!!」

「だってさ?」

「……………………残しても構わん」

「素直じゃないなあ?」



 とりあえず、お昼ご飯の時と同じようにテーブルセッティングをしてもらい、美味しそうなシチューの器が載ると……もう我慢出来ない!! と、僕はスプーンで口に入れたら!?



「……あちゅ!?」



 出来立てを食べてしまったのか、軽く火傷しちゃった……。すぐに、フィーさんから魔術で治していただきました。


 もう一度、ゆっくりふーふーと息を吹きかけてから口に運ぶと……ほくほくのじゃがいも、柔らかいにんじん。トロトロの玉ねぎにごろっとジューシーな鶏肉。


 クリーミーなシチューの部分も最高!!


 初めての料理だというのに、セヴィルさんのシチューはとっても美味しかった!!



「美味しいです!!」

「そ、そうか……?」

「おかわりください!!」

「カティア、パンもいる〜?」

「欲しいです!!」



 ワゴンの上に載っていたお鍋から、また熱々のシチューをいただけたので……パンと一緒に合計三回もおかわりをしてしまった。


 たくさん食べて、今日はお風呂に入れないからぐっすり寝れたんだけど……その日は珍しく夢を見た。



『カティア……やっと、だ』



 セヴィルさんが……多分、僕が元の体に戻ったのかとても嬉しそうな笑顔になっていた。そして、僕の大きくなった手を掴んで引き寄せて…………なんと、キスしようとしてきた!!?


 まだ心の準備が!!? と、そこで目が覚めたら……クラウもだけど、セヴィルさんが椅子に座って寝ていて……僕は初めて見るセヴィルさんの寝顔に心臓がドキドキしてしまった。



(…………思い出せていないけど、僕……)



 今更だけど、この人が……好き、になってしまったのだ。


 痛いくらい高鳴る心臓の部分を服の上から掴むと……手に、鼓動の速さが伝わってきた。

次回は金曜日〜

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