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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十一章 異界の年の瀬
325/616

325.飲めない酒でも-③

お待たせ致しましたー








 ◆◇◆












 割れないタイプのガラスポットに、幾つものホットワインを用意して。


 グラスも耐熱性のをご用意。耐熱と言っても、魔術とか魔法加工で割れないようにしてあるらしいですが。



「「ほ〜〜??」」



 せっかくだからと、サイノスさんもご招待。セリカさんもです。給仕さん達が持ってきたホットワインがテーブルの上に置かれると、じーっと見てくれました。



「……何か浮いている?」


ゆず(シュナス)なんですよ、セリカさん」



 セリカさんの疑問に答えても、聞き慣れない果物なのか首を傾げられちゃった。



「シュナス……クリュスア国の名産か」



 セヴィルさんが補足説明をしていただけたので、僕もなるほどと頷けた。



「どんな果物んだ??」

「……覚えておけ。香りが豊かで、実はリモニ並みに酸味が強い。主に、香水などに使われるようだが」

「ほーん?」



 エディオスさん……覚える気無さそうだ。



「シュナスと蜂蜜で味は整えてあります。色は濃いんですが、ポワゾン酒はほとんど入っていないんです。フィーさんからの許可もいただけました」

「つーことは!」



 エディオスさんは僕の席に来ると、僕用のホットワインのポットからグラスに注いでくださった。



「??」

「遠慮なく飲めるっつーわけだ!」

「! はい!!」


 それぞれワインをグラスに注いでから、距離があるのでグラスをカチンとは出来ないが、乾杯となりました!!



「ふゅふゅぅうううう!!」



 クラウはすぐに自分のを口につけてみていたが、まだ熱いのかすぐに舌をベー……と出しちゃった。


 冷ますように注意してから、僕は自分のホットワインに口をつけた。


 綺麗なルビー色のところどころに、ゆず皮の千切りが浮かんでいる。くぴっと傾ければ……シャングリアほどではないけど、甘酸っぱくて美味しいぶどうジュースのような味の温かい飲み物が口に!!


 思わず、がぶ飲みしてしまうのを我慢して、少しだけ飲んでからグラスをテーブルに置いた。



「美味しい〜……」



 念願だったお酒……なんだけど、やっぱりあんまりお酒の味はしない。ほとんどジュースだけど、ホットカクテルが飲めるんだから贅沢は言えない。


 もうひと口飲もうとしていると、隣から視線を感じたので振り返れば。



「……よかったな」



 セヴィルさんが……。


 軽く口元をゆるめて、微笑んでいらっしゃった。


 慣れたつもりでいたけど……やっぱり、破壊力は凄いので僕は持っていたグラスを持つ手に力が入ってしまった!?



「せ……セヴィルさん、大丈夫ですか??」

「……ああ。お前が作ったものなら平気だ」

「そ……そうですか」



 その笑顔と言葉が印象的過ぎて……僕はせっかくのお夕飯もあんまり味がしなかった。


 しなかったんだけど……。



「ふゅぅ?」



 お風呂へ行こうと、アナさんのお部屋に行こうとしたら。


 目の前がぐるぐるしてしまい、床にパタっと倒れてしまいました……。

次回は月曜日〜

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