315.また青いカッツの使い道-①
お待たせ致しましたー
◆◇◆
えー……ブルーチーズこと、ゴルゴンゾーラの使い道を調理場に提案させていただいたんですが。
(中層もだけど、下層でも取り合い合戦が起こっているみたい??)
セリカさんやカイツ先生に聞いた情報だけどね??
「……俺、まだ食べてない……!!」
今日も今日とて、魔術の授業を受けてしばらく経った時に。
カイツ先生がぽろっと口にされたわけです。
「……青いカッツのお料理ですか??」
「…………そう。カティアちゃんが提案したんでしょ??」
「ええ。その情報はどこから??」
「俺も発生源はわかんないけど、あちこちで噂になっていたよ?」
イシャールさん達が言いふらすことはないから……シェイリティーヌさんとかかな?? あの人ならあり得そう……。
「僕、城下町の事情は詳しくないですが。青いカッツってあるんですか??」
「あるなあ? やっぱり、保存の魔術を扱えない人間が多いから……放っておくと、あの青いカビが出てくるらしいし」
「なら、お手軽にクラッカーの上に載せてみるのも」
「…………生で??」
「マリウスさん達にも食べていただいたんですが、お酒に合いますよー?」
「へー??」
どんな味なのか、やっぱり料理屋さんの息子さんだから気になるみたい??
ご馳走してあげたいけど、今は授業中だから作れない。
でも、授業が終わってからなら……と、僕は上層の厨房にカイツ先生を連れていった。中層だとイシャールさんの目が怖いからね?
「おや、カティアさん」
マリウスさんにすぐに気づかれたので、僕らは挨拶しました。
「こんにちは、ちょっと厨房をお借りしたくて」
「構いませんが……そちらの方は?」
「カティア嬢の魔術指導を務めさせていただいています。カイツです」
「……なるほど」
一瞬、マリウスさんの目が光った気がしたけど……気にしないでおこう。
「青いカッツの揚げ物を作らせてください」
「「カッツを揚げる??」」
「あと……里芋も」
「「え??」」
マリウスさん達が面白い表情になっているけど。
とりあえず、クラウをカイツ先生に預けてから……僕はマリウスさんと材料を集めることにした。
タネ抜きのブラックオリーブぽいの。
里芋。
ゴルゴンゾーラ。
塩胡椒。
パン粉や衣に必要な基本的な材料。
これらを使って、チーズコロッケ風にするんです!!
「ふゅゆぅ!?」
さあ、作るぞと思っているとクラウが声を上げた。
「美味しいものを作る予感!!」
フィーさんが登場したので、カイツさんは顔を青ざめたのでした。
次回は土曜日〜