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312.青いカッツの使い道-③

お待たせ致しましたー








 ◆◇◆











 なので、お夕飯の時にゴルゴンゾーラペンネと一緒にクラッカーもお出ししてみた。



「「くっさ!?」」



 ペンネを出した途端、エディオスさんもだけどサイノスさんも顰めっ面になっちゃった……。アナさんはハンカチで鼻を押さえてて、セリカさんは今日はもうお屋敷にご帰宅済み。ケーキだけは、明日の授業後に食べてもらおうとフィーさんの亜空間収納に入れてあります。



「……凄い臭いだな」



 セヴィルさんは顰めっ面はしないけど、眉間に軽くシワが。



「お昼のピッツァよりも、まろやかに仕上がっていますよ?」

「……そうか」



 エディオスさん達がまだ臭い臭い言い合っている間に、セヴィルさんはペンネを食べてくださった。もぐもぐと口が動き、飲み込んでくれると僕の方に振り返ってくれた。



「どうでしょう?」

「多少辛味はあるが……ピッツァより食べやすいな?」

「よかったです!」

「ふゅゆぅ!!」



 僕は先にクラウに上げていたし、試作段階で味見したからゆっくり食べることにした。エディオスさん達はそんな僕らの様子を見てから……ひとりお代わりを頼もうとしていたフィーさんの方も見て、ひと口食べると顔を輝かせた。



「「うんめ!?」」

「少しピリッとしますが……ピッツァよりもまろやかで美味しゅうございますわ!!」

「あとでケーキもありますよ〜?」

「「「これでケーキ!!?」」」



 それと、クラッカーも勧めると……また大半が顰めっ面になっちゃったけど、フィーさんがパクパク食べるのでこれにも続く。


 僕もなくならないうちに食べれば、贅沢ゴルゴンゾーラのカナッペが口いっぱいに!!


 これは、是非ファルミアさんにも教えなくちゃ。明日以降、識札で伝えよう。


 ケーキを出した時には、臭いよりも見た目に皆さん驚かれて……これまた食べるのをためらっていたけど、コフィーと一緒だと合うとわかればあっという間。



「あのけったいな見た目を裏切るくれぇ、美味いな??」



 もうケーキを三つ目食べているんエディオスさんは、いたく気にいられたようです。



「臭いだけは強烈だが……これは悪くない」



 甘いものでも、塩気が強いせいかセヴィルさんでも二個食べてくれました。



「中層や下層にもあるかもしれないなぁ? イシャール達も、これを知れば病みつきになるぞ??」



 そして、サイノスさんはあっという間に四個目です。



「僕も屋敷に確認しようかなあ? ディック達に教えればいつでも食べれるし」



 一番食べているのは、五個目のフィーさんでした。



「本当に美味しゅうございますですもの」



 アナさんは女性らしく……一個で我慢しているように見えた。サイノスさんの前でも、ちょっと食べ過ぎを見られたくないかもしれない。婚約されてから、乙女らしく振る舞おうとしてるのかも。



(……好きな人かあ)




 likeよりも、loveに近くなったとは言え。


 セヴィルさんに、特別なプレゼントを作る意欲は出てきても。


 僕自身が、『大好き』と言えるかどうかの気持ちを……封印された記憶以降抱いたことがないから。


 だから、セヴィルさんの事が本当の意味で『大好き』と言い切れない。


 トキメキはもちろんあるけど……告白されたこともあるし。


 誕生日まで、まだ少し時間があっても、答えを早く見つけたかった。

次回は木曜日〜

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