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310.青いカッツの使い道-①(マリウス視点)

お待たせ致しましたー








 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(マリウス視点)









 未知の存在だった、青いカッツの使い道を伺っただけなのに……目の前の金の髪が輝かしい、幼い少女はとんでもない料理の名前を口にしたのだ。


 ヴァスシードのファルミア妃殿下もだが、カティアさんも何を言うのだろうか??


 カッツのクリームもだが、青いカッツを『ケーキ』に出来る??


 麺料理もだが、ピッツァにも使えるだなんて思いもよらなかったのに……それがデザート??


 まったくにもって、理解が追いつかないでいた。


 思わず、意識が遠退きかけたが。誰かによって引き戻された。



「しっかりしてよ、マリウス」



 悠久の時を生きる、黑の世界の最高神であり唯一神でもあるフィー様が、私の頭を軽く叩いたのだ。背は私の方が高いので軽く跳び上がったのだろう。



「大丈夫ですよ、マリウスさん!」



 そして、カティアさんは私の前でぴょんぴょんと飛び跳ねていらっしゃった。その表情は自信に満ち溢れている感じだ。



「ケーキと言っても、おつまみ感覚です!! この青いカッツはそのままでもおつまみになるカッツなので」



 そこで、とフィー様に選んでいただいた白のポワゾン酒と……酒がまだ飲めないカティアさんとクラウさん以外口にしてみることになったのだ。



「「「うっ……!!?」」」



 加熱した以上に臭いがキツい。


 口にするのを拒否したくなるが、このカッツの美味しさを理解した今なら。


 ほんの少し、スプーンですくい口に入れる。


 ムワッとした、カッツの異臭がするところに酒を含めば……消えたのだ。



「「え??」」

「あれぇ??」



 私達は同時に声を上げてしまった。


 それを見ていたカティアさんはにこにことしていらした。



「生はこんな感じなんです! ケーキはもっと美味しいですよ??」



 と言うのだから、麺料理同様に私は作る気欲が湧いてきたのだった。それはライガーも同じで、ふたりでカティアさんが言う材料を集めていく。



 常備するようになったカッツクリーム。


 生クリーム。


 卵。


 砂糖。


 青いカッツ。


 メリケ粉。


 パルフェ。


 これらを使うだけで、ケーキが出来るのかとは以前なら思ったが。


 神童とも謳われてきたカティアさんの言うことを信じよう。


 試作と言うことで、まずはカティアさんが台に乗りながら材料を混ぜていくところから始まった。



「まずはお砂糖とカッツクリームをしっかり混ぜて」



 その次に卵を割り入れ、次にパルフェ。


 その後に、青いカッツとかを入れると思いきや……網で濾して、生クリームと一緒に混ぜていく。やはり……この少女の技術は革命的だ。


 400年程度しか生きていない私よりも、はるかに技術が上。


 陛下方は何かご存知だろうが……聞きたいのをぐっと堪えた。いつか、話してくださるその日まで待とうと……また心に留めておく。

次回は金曜日〜

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