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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第九章 想う相手に向けて
278/616

278.全属性

お待たせ致しましたー

 これはいったいなんだろうか??


 クラウと一緒に、じーっと覗き込んじゃうよ?



「カイツさん。これは……??」

「人間の魔術適正を調べる結晶だ。たしかに、市井だと見かけないから無理はないね?」



 それどころか、異世界の人間だったとは口が裂けても言えませんとも。


 とりあえず、これに触って僕の魔法属性のようなものを調べるんだそうな?



「触るのに、何か決まりがあるんですか?」

「いや、特にないよ? あるとすれば、出来るだけ何も考えないでおくことだけど」

「わかりました」



 机の上に置いてもらい、僕は椅子に座ってからその水晶のようなものに手を伸ばした。


 ちょっとだけ痺れたりするかな、とか思っちゃったけどそんなことはなく……ちょんと指で触れたら冷たい石の温度が伝わってきた。



「ふーゅゆ?」



 クラウは机の上に寝転がり、ふんふんと鼻の部分を動かしている。何か匂いとかでもあるのだろうか?


 すると、水晶がパチパチと音を立てたのでした。



「……始まったか」



 カイツさんがそう言い出すと、水晶がいきなり真っ黒に光り出して……天井を突き抜けるかと思いきや、虹のような光の帯が出現。


 綺麗だなあと思っていると、クラウも『きゃっきゃ』って感じに騒ぎ出した。



「うわぁ……!!」



 出てきた虹の帯は、僕らの前でオーロラのようにゆらゆらと動き出して行く。綺麗だな、ってカイツさんに言おうとしたら……。



「か、カイツさん??」



 頭の中真っ白って感じに、固まっていたのだった。それは帯が消えてからも、しばらくそのままで……僕は慌ててカイツさんの体を揺らした。



「…………あり得ない」



 正気に戻って、最初に出てきた言葉がそれでした。



「な、何がでしょう??」



 言わなくとも、さっきのオーロラ現象についてだろうけど。カイツさんはまだ信じられないと言いながら、首を左右に振った。



「……全属性?? 神王家でも滅多に出ない事象が。カティアちゃんに……!?」

「え、じゃあ??」

「……ああ。君は望めば大抵の魔術が扱える」



 これはもしや、僕のトリップ特典というものなのかな??


 クラウの事は言ったけど、流石にそれは言えないのでお口チャックしましたとも。



「……けど。今まで何も知らなかったので。ご指導よろしくお願いします」



 それは本当の事なので、僕はもう一度お辞儀しました。



「……ああ。わかった。俺も出来る限り教えるよ」



 苦笑いされたカイツさんと握手をすると……クラウも『やりたい』と抱きついてきたので三人で握手することになった。



「まずは、どうするんですか??」



 そして僕は、異世界らしい魔法講義を教われるのにワクワクが止まらない!!

次回は日曜日〜

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