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265.ファルミアとセヴィル-②(ファルミア視点)

お待たせ致しましたー








 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(ファルミア視点)











 ある意味、ぞっとするような美しさ。


 こんな人の奥さんとかは、釣り合うくらいの美人さんしか無理ね? とか思っていたんだけど。



「…………今、『異世界』とか聞こえたが??」



 窮奇(きゅうき)とかとは違う美低音に腰が抜けかけたが、質問には答えようと姿勢を正した。



「……どこまで?」

「…………お前が四凶(しきょう)達に話し始めた時だ」



 敬語を抜きにしているのは、神王のエディから気にするなと言われたから。もちろん、公式ではしないけど。



「……聞いてしまった通りよ。私は異界からの転生者。けど、それを盾にユティリウスと結ばれたわけじゃない」

「…………それは疑わないが。……………………ファルミアは『カナタ』ではないのか」

「…………は?」



 今度はセヴィルの方が意味がわからない言葉を言うと、彼は首を横に振った。



「……いや、違う」

「どう言うことかしら??」

「……………………俺は、一度だけ異界渡りをしたんだ」

「は??」

【【【【是】】】】



 私があっけらかんになっていると、四凶達は一斉に返答したわ。



【この者から匂う匂う】

【ファルとは違うが】

【同じ蒼の世界の匂いが、する】

【するぞ】



 本当かと聞けば、彼はゆっくりと頷いてくれた。



「……もう二度と会えない。かけがえのない存在と同じ、蒼の世界か」



 笑う、っていうのに縁がない男の人に見えたけど。


 その時だけは、微かだが笑っているように見えたわ。そのかけがえのない存在……多分女の子ね? その子の事をすっごく大事に想っているんだわ……。



(リースの親友って言ってたけど。なんだ、人らしいとこがあるじゃない?)



 冷徹の宰相とか言われがちらしいが、やっぱり感情を持った人間だもの??



「けど、基本は内緒にしてて? 私達やリースしか知らないもの」

「……そのつもりだ。本来なら、誰にも言わずにいたつもりだった」

「そう。あ、お菓子食べる?? 苦手でなければ」

「…………いただこう」



 実は、甘いものは苦手だったらしいが。そのお菓子は食べれたようで……そこから四十年後に、実はその大切な存在と再会出来るだなんて思うだろうか??


 そして、私は新たな命を身体に宿すことが出来た。


 エディ達もだけど、カティ達もそうなってほしい。


 この世界で唯一の神様であるフィーは、人間達を酷く愛おしく思い、かつ時には残酷な処罰を下す存在だから。


 彼が望む結果を、どうかこの先に続いて行って欲しいわ。



「エディの、誕生日に海に行くのは難しくなりそうだね?」



 私が思い出を振り返っている間、リースはまだ膨らんでいない私のお腹を撫でてくれていた。



「そうね? けど、この世界の妊娠期間は二年。日差し対策をしっかりしていれば、軽く遊ぶことくらい出来てよ?」

「ミーアは見たいの??」

「もちろん。カティの水着プロデュースくらいはしたいわ!! リュシアとも計画してたんだから!!」

「……ま。無茶しなきゃいいけど」

「出産だなんて初めてだもの。慎重にもなるわ」



 男の子でも、女の子でも。


 私達の子供だ。大切にしないわけがない。


 リースの手に自分の手を重ねてから、私達は笑い合った。

次回は水曜日〜

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