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259.世界の慣わし(ファルミア視点)

お待たせ致しましたー








 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(ファルミア視点)











 兄弟は……結局男の子だった。


 だから、必然的に当主の継承権はその子に移ることになり……私は四凶(しきょう)の主として日々を過ごしていくだけだった。お見合い云々で、他家に嫁ぐ動きは全然ない。


 と言うのも、この(くろ)の世界には……少し特別な慣わしがあるらしく。簡単にお見合い云々で政略結婚とかが出来ないそうだ。



御名手(みなて)ねぇ……??」



 魂の片割れ。


 運命共同体?


 そんな習慣が、ファンタジー満載のこの世界では根強いらしく。無理矢理の場合だと、唯一神である『フィルザス様』と言う神様からの天罰があり、大変で済まない事象になるそうだ。


 市民もだが、特に貴族以上はどの国でも同じなんだとか。それに、この世界でのある意味頂点の位置する神王国でも……それは同じらしい。


 神ではなく、神霊(オルファ)って神様の分身のようで違う存在の子孫達である……この世界の人間の仕組みだと、余計に恋愛は慎重だそうだ。


 それは四凶を束ねる私も同じなんだって。



「そんな乙女ゲームとかでありそうな世界だなんて……」



 ここって、ゲームの世界? とか、四凶達に聞いたことはあるが、全員首を横に振った。



「連なる世界」

「異なる世界ではあるが、神は縁深き存在」

「虹の世界の下の下」

「ファルがいたのは、蒼の世界」



 だと言われただけだが、よくわからない。


 窮奇(きゅうき)もだけど、渾沌(こんとん)檮杌(とうこつ)とかは言いたいこととかが時々謎めいているから意味不明。


 だけど、一万年以上も生きるんだから……贅沢に時間はあるから料理も色々作りたい。両親達は弟のバスティスにかかりっきりだもの。私を蔑ろにしないとは言っていたけど……少しずつ離れていっている。


 前世の記憶持ちだから、子供らしさはないはずなのに……この世界に染まってきたのか、年相応の精神状態にもなっているかもしれない。


 少し寂しくて、辛い。


 学園でも相変わらず、ひとりぼっちだから……せめてもの楽しみは、自分で作ったお弁当とデザートを四凶達と食べることだったわ。



「やあ! 可愛いらしい後輩のようだね?」



 それを数年繰り返したところで出会ったのが。


 若い頃の、リース……ユティリウスだったわ。


 明るめのオレンジがかった、赤のセミロングヘアに整った……王子様風のイケメン!?


 自分もクラスメイトとかの美醜は見慣れていたはずなのに……いきなり現れた先輩らしい男子生徒を目にした途端、私の心臓が痛いくらい跳ね上がったわ!?



(……なにこれ?)



 前世でも久しく感じていなかった……ある意味『一目惚れ』状態に、私はなってしまったようだわ。

次回は土曜日〜

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