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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第七章 繋がりは広がる
245/616

245.青いザリガニ-②

お待たせ致しましたー








 ◆◇◆










 ───────……やだ。


 やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ!?



(いーやーだぁああああああああ!?)



 エディオスさんが網で捕まえてくださった、『ヴィラカダ』。


 あの姿が、伊勢エビとかロブスターを想像していたのに……湖から出てきたのは、そのどっちもではない。……真っ青な、馬鹿でかいアメリカザリガニだったのだ。


 びっくりするのと、拒絶反応が出てきて……思わず、バックターンしてから森の中に逃げてしまった。道だなんてわかるわけもなくて、ひたすら走ってから湖から遠ざかろうとしていた。


 けど、子供サイズの今だから、そう遠くに行けるわけもなくて。


 いきなり、肩を掴まれた。


 誰だろうと振り返れば、息を切らしていたセヴィルさんだった。



「カティア!! 止まれ!!」

「せ……セヴィル……さ!?」



 セヴィルさんに肩を掴まれたから、びっくりして止まってしまう。すぐに、彼の腕の中にいたクラウにも思いっきり頭に抱きつかれた。



「ふゅふゆぅうううう!!」



 ふわふわだけど、ぎゅーっと抱きつくのが苦しくてなって、堪らず両手で引き剥がしたけども。



「ぷは!?……ごめんなさい」



 とにかく、いきなり僕が逃げ出したのを追いかけてきてくださったため、まずは謝罪だ。



「……いや、謝罪を聞きたいわけではない。何故、ヴィラカダを見ていきなり走り出したんだ?」



 それは言わなくてはいけない。


 けど、言いたくない気持ちもある。僕の『苦手』なものをセヴィルさんに知られると恥ずかしい気持ちがするんだもの。


 だけど、今回は言うしかない。



「……笑わないです?」

「笑う? 何故だ?」

「ふゅぅ?」



 昔の友達とかだったら呆れられた。ツッコミ親友は盛大に慰めてくれたのに……セヴィルさんはどっちでもなかった。


 これにはびっくりしてしまう。きちんと言えるかもしれない。



「あの……ですね?」

「ああ」

「ヴィラカダの形……エビと似ているんですけど。日本だと『ザリガニ』って種類だったので……僕、見るのも嫌なんです」

「苦手なのか?」

「あの大きさではないんですが、この姿くらいの年頃に……池とかで遊んでた時にハサミで挟まれかけたんです。それから……見るのもダメで」

「…………なるほど」



 苦手なものは他にはあるけれど……ザリガニは僕の過去のトラウマでは、トップ3なので絶対絶対嫌だ!!


 ザリガニは北欧だと食用である国や地域もあるらしいけど、僕は食べたいなども思えない!!


 だもんで、今も全然乗り気じゃないです!!



「ふゅぅ?」



 クラウには意味がわからないのか首を傾げているだけだったけど。



「……だから。ちょっと……戻るのは」

「……だが、神域とは言えひとりでここに残す訳にはいかない」

「……ですよね?」



 なので、戻ってからはセヴィルさんの後ろに隠れていることになった。



「戻ってきたか!?」

「カティアー? どうしたのー?」

「心配してしまいましたわ!」

「大丈夫?」



 などなど、ご心配をかけたことに申し訳なく感じたが、セヴィルさんの後ろから出ることは出来ませんでした。



「カティアには、ヴィラカダに見た目が似た生物に……蒼の世界では苦手意識を植え付けられた事故があったそうだ。なので、驚いて逃げ出したらしい」

「「まあ!!」」

「こいつに?」

「攻撃しなきゃめちゃくちゃ大人しいぞ?」



 皆さんそう言っていただけますが……磯臭さに似た臭いには敬遠しがちになりました。

次回は土曜日〜

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