242.カニクリームコーンピッツァ-①
大変お待たせ致しましたー
◆◇◆
なにはともあれ、アナさんとサイノスさんが無事に恋人以上に婚約者となったわけで。
僕は、今晩は内輪のお祝いと言うことで、セリカさん達と一緒にピッツァを作ることになった。
「なーにを作ろうかなー?」
フィーさんの小屋とは段違いに広いので、氷室兼貯蔵庫も広い。冷蔵庫みたいなのもあるんだけど、なんでお城にはないのかなとフィーさんに聞いたところ。
『なんでもかんでもレイ兄様のとこを真似させるのは面白くないからね?』
まあ、氷室だけでも十分役目は果たしていますが。
「カティアちゃん? 手伝おうか??」
氷室の前で唸っていると、セリカさんがやって来た。
「生地などの材料は?」
「もうフィルザス神様がご用意してくださったわ。ソースも今作っていただいているの」
たしかに、トマトソースの方は今やフィーさんでもお手のものだからね?
「なるほど。……なにを具材にしようか悩みまして」
「あの四角いピッツァじゃないのはわかるけど……なにを使うの?」
「お肉やお魚もですが、お野菜も載せます。薄い生地にして、ソースと具材……あと、削ったカッツをたっぷり」
「……うーん。味の想像が難しいけど。あの四角いピッツァみたいな味に近いの?」
「簡単に言えばそうですね?」
ミラさんご家族にはお披露目したけれど、セリカさんにはまだ普通のピッツァを作っていないからだ。仲間外れにしたわけじゃないけど、タイミングが合わなかったからで。
「うーん。アナお姉様達のお祝いだし、アナお姉様やサイノスお兄様のお好きなものがいいんじゃないかしら?」
「それがですね。デザートはともかく、メインだとなんでも召し上がられるので……」
これって組み合わせが思いつかないのであーる。
有難いことなんだけど、とりあえず苦手なキノコ類は避けたピッツァを作ろうと思った時に。
(いいこと思いついた……!!)
クリームソース系のピッツァを作ろう。キノコがダメでも、キノコだと多いレパートリーをアレンジするのもいいかも。
フィーさんのところに戻ってから提案すると、
「なにそれ!! 僕も食べたい!!」
即決だったので、生地作りをセリカさんと一緒に作ってから、そのソースを作ることにした。
ベースは、お昼にいただいたオーブン焼きにも使ったホワイトソース。
これにどんな具材を使うかと言うと。
「カニこと、キングラーの中身をば」
魔獣食材だけど、一般的な食材だそうなので。食べ方も地球と大体似てるらしく、割っては身を取り出すのを繰り返して……出来たら、まずは試食も兼ねて四角トーストでやってみる。
「ソースを塗って、キングラーのほぐし身を適量。さらに茹でたキビトを散らして……カッツを載せたら窯へ」
ある程度焦げ目がついたら、取り出して……粗挽き胡椒と刻んだパセリを振りかけてから切り分ける。
「……これが、ピッツァ?」
「正確にはピザトーストとか言います」
「お昼にいただいたのもだけど……カッツのいい匂い」
ここは、セリカさんが初体験なのでフィーさんも譲ってくれました。セリカさんには素手で持つように説明すれば、びっくりって感じに目を丸くされた。
「こう言う食べ方なんだよ?」
「……なるほど」
ゆっくりトーストに手を伸ばし、ちょっと熱さにもびっくりしたけど……ひと切れを持って、伸びていくチーズにもさらにびっくりされちゃった。
「大丈夫ですよ? そのままひと口」
「……ええ」
恐る恐るって感じだったけど……すぐにパクッと食べてくださった。すると、セリカさんも目がキラキラと輝き出した。
「んふふ〜? 美味しいでしょー?」
フィーさんがそう聞けば、セリカさんは食べ進めて……食べ終えてから首を大きく縦に振った。
「素晴らしいです!! 軽くて、普通のパンとは違って味が濃くて。けど、どれも邪魔をしてません!!」
「これが生地の方だともっと美味しいよ〜?」
「まあ! 楽しみです!!」
では、その期待に応えるべく頑張りますか!!
次回は木曜日〜