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ピッツァに嘘はない! 改訂版 作者:櫛田こころ

第四章 式典祭に乗じて

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110.式典祭1日目ー王子様なコックさんー(途中別視点有り)

「あ……って、お前⁉︎」
「あら、ラディンじゃない?」

 どうやらお知り合いの人だったようです。
 僕たまたま台車の下にいたから全然見えないんだけどね。

「「「「ラディンさんだ!」」」」
「「「「お久しぶりです!」」」」
「「「「どうしたんですか!」」」」

 それとコックさん達にはだいぶ慕われてるようですね?
 けど、男の人かな?としか僕はわかんないや。コックさん達が押しかけていったんで余計に見えない。

「……お前ら、仕事しろーーーー‼︎」
「公私混同しないの‼︎」
「「「「『は、はい‼︎』」」」」

 すかさず料理長、副料理長のお言葉により解散。
 そうしてコックさん達が配置に戻ったらようやく『ラディンさん』が見えたよ。

(この人もまた美形だなぁ……)

 セヴィルさんをクール系と例えるなら、その人はキラキラ系の王子様。髪は亜麻色っぽいけどところどころ輝いていて長さはごく普通のショートスタイル。
 瞳はアクアマリンみたいにキラキラで好奇心の色を隠していない。
 のに、服装はグリーンのコックスーツと言うことからこの人も料理人なのかな?
 けど、下層は上層と同じ白に赤いタイつけてるだけだし違うよね?

「ふゅ?」

 たまたま近くを飛んでたクラウが彼の前に浮かぶと、ラディンさんはにこっと笑ってクラウの頭を優しく撫でてあげた。

「見たことない聖獣だね? 可愛いなぁ」

 お声までイケメンさんってすごいね。
 いや、この世界でフツメンなんていないね僕以外。

「ふゅ、ふゅぅ!」

 そしてクラウ懐柔されそうです。
 君僕の守護獣でしょうが!

「ラディン、5年ぶりね? 式典当日になってからきたの?」
「朝二には間に合わなかったね。外のだけは先に片付けておいたけど」
「助かりました」

 開いたままの扉向こうにいたコックさんがひょこっと出てきて、またすぐに消えちゃった。
 何があったんだろ?

「相変わらずただの料理人だけにしておくのは惜しい腕よね。で、具体的な目的は何?」
「シャルにはお見通しかな?」
「俺も忘れるんじゃねぇぞっ!」
「やぁ、イシャール」

 イシャールさん怖い怖い怖い!
 なんか不機嫌通り越して憤っていませぬか?
 なのに、ラディンさんは一向に気にせずキラキラスマイルで応対してる。

「ちぃっとこっち来い!」
「えー、手短にね?」

 身長はイシャールさんの方が大っきいから、ラディンさんの首根っこ掴んでどこかに行っちゃいました。

「気になる?」
「ぴょ?」

 シャルロッタさんの機嫌ちょっと落ち着いたみたい?
 なら、今の内に聞いておこう!

「どう言う方なんですか?」
「ラディンは旅の料理人なのよ」
「旅の?」

 一瞬、某アニメよぎったけどすぐに追いやった。

「ええ。スカウトはあちこちからされても断って、自分らしい料理を作る為だけに人々に振舞ってたりしてるの。一応は我が国の出身だからか城から呼ばれたりするか自主的に来る時くらいは、ここや上層でも料理したりするの」
「すごい方なんですね」

 スカウトされまくりの腕前って気になる。
 上層までお呼ばれされるなんて、よっぽどじゃなきゃ無理だもんね。

「ただ、年齢は多分350とか色々誤魔化してるんだろうけど…………実年齢は私も知らないのよ。本人が言わないから気兼ねない付き合いでいるけど」

 年齢不詳?
 ぱっと見はエディオスさん達くらいに見えたから、地球年齢にしても25歳くらいに思えたけど。でも、日本人が童顔過ぎに対して海外人は年齢不明が多い。
 まあ、僕は体の年齢詐欺状態だけどね。

「余計なことはすんなよ!」
「後であの子には話すから、いいでしょう?」
「マジで言う気か⁉︎」
「あら、戻ってきたわ」
「ですね?」

 なんか忙しない雰囲気は変わんないけども。

「……とりあえず、カティアは初めてだな。こいつはラディンだ」
「ラディン=アシュクト=ヴィランズって言いまーす。気軽にラディンでいいよ。小さなお嬢さん?」
「か、カティア=クロノ=ゼヴィアークと言います! よろしくお願いします!」
「小さいのにお行儀いいね?」
「カティアはちぃっと特別だかんな。んで、こいつの用件はカティアについてらしい」
「ほえ?」

 凄腕料理人さんが僕になんのご用が?

「ラディン、噂聞いてきたの?」
「噂もだけど、知人から聞いてきたこともあってね。ティラミスについてはさっきシェイルから少し」
「シェイルとも会ったのね……」
「相変わらず元気だったよ」

 シェイルさんともお知り合いなんだ?
 結構お城の人と顔見知りさんが多いのかな?

「大人顔負けもだけど、マリウス料理長達から過大評価されるくらいの腕前って聞いてね? これは一度お目にかかれたらなって」
「ぼぼぼぼ僕、そんなことないです‼︎」

 ピッツァを振る舞っただけですのことよ⁉︎
 ケーキとかもファルミアさんがいなきゃ作れなかったし!
 ぷるぷるぷるぷる首を振っていたら、ぽんぽんと優しい手に撫でられた。
 おやっと、顔を上げればキラキラスマイルがドアップに⁉︎

「可愛い子だね。聞いてた通りだ」
「ぴょ⁉︎」

 お願いですから、そんな美形キラキラスマイルをこれ以上近づけないでください!
 本人にとっては何気ないことでも!

「けど、今日は手伝いに来たんだよ。そのティラミスが売れ行き凄いらしいからね。外見てきてそれは実感したけど」
「ついでに伝授してもらおうって魂胆じゃねぇの?」
「あはは、ばれた?」
「まあ、お前なら漏らすことはねぇがな」

 なるほど、この人もティラミスの情報が知りたかったんだね?
 僕としては、ちょっとためらったけどイシャールさんがこれだけ言うなら大丈夫かな?

「その代わり、今日のところはみっちり働けよ! あとカティアに話すことは俺も同席する」
「そこは承知だよ?」

 あれ、僕に話すことまだあるんだ?
 けども、ゆっくりはしてられないのでティラミス作りに取り掛かります。








 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(ラディン視点)









 ふむ、少し危なかったわい。
 イシャールだけは儂の正体を知っておるからの?

『あんた式典初日で何抜け出して来てんだよ⁉︎』
『仕方ないじゃろ。暇過ぎて退屈じゃわい』
『てめぇの孫の即位記念だろーが……』
『お主も孫らと変わりなく思っとるぞ?』
『そりゃどーも! それよか、なんでわざわざこっち来た? しかも、変幻(フォゼ)した姿で』
『ふむ。驚かせたかったのと、この方が動きやすいからじゃ』
『……若い時の自分に戻すまでかよ』
『うむ。あの少女には興味があるからの』

 厨房内にある彼奴の執務室まで引きずられ、すぐに目的が何かを聞かれるのは想定内じゃったよ?
 イシャールは見解の魔眼持ちゆえ、儂の念入りの魔法にも気づかれてしまうからじゃ。

『カティアか? あいつはなんか他にも隠してそうだがな』
『ほぅ? お主でも見破れぬか?』
『目の色だけは事情あって変えてるのは聞いたが、本人のことは謎だらけだ。ゼルにも異常に気に入られてるのを目の当たりした時は魂消たが』
『ゼルがのぉ?』

 儂も伝え聞いてはおるが、実際に目にはしておらぬからな。あの孫をどう変えたのか、気になるわい。

『つーか、あの嬢ちゃんの為だけに式典抜け出して来たのか⁉︎ 婆様とか先王とかは了承済みなのかよ!』
『ちゃんと言ってきたぞ?』

 土産話はたんまりと持ち帰って来いとは奥さんから言われたがの?

『そんなけで承知するか普通?』

 イシャールにはまだ疑われたが、話はそこで切り上げた。代わりにと言うか、この厨房にいる間は『ラディン』としてこき使うと言い渡されたが別に構わぬ。
 いつもの姿もだが、若い頃を模したこの姿も動きやすいからの。
 それより、

「では、材料はこれで全部です」

 この小さなお嬢さんの調理の腕前が気になって仕方ない。
 材料は薄焼きにした卵ケーキ、砂糖、冷ましたコフィーと生クリームまではわかるが、生クリームとは別にしてあるのは何じゃろ?
 見覚えがなくはないが、まさかの?

「カティアちゃん、こっちのボウルに入ってるのは?」
「あ、それはパルフェを水切りして作ったカッツクリームと言うものです!」
「え」

 何故この国に伝わっていない食材をこの幼い子供が知っておるのだ⁉︎
 しかも、作り方まで熟知しておるようじゃ。

「ラディンは知ってた?」
「ま、まあ、旅してるから……ね」

 実際は200年前にヴァスシードの近くを旅するまで知らなかった食材じゃがな。
 じゃが、カティアと言う子は見た目が80歳程度。連れてきたのはフィーだと聞いたが、彼奴どこで見つけたのじゃ?
また明日〜〜ノシノシ
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