表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編メイカー  作者: papiko
10/10

願掛け

×ホラーが苦手な方は、お逃げください。

訂正

〇ホラーじゃなくて猟奇モノになるそうです。苦手な方はお逃げくださいw

 願掛けのために髪を伸ばしたの。あなたとずっといっしょにいたくて。でも、貴方はこっちを見てもくれない。こんなに熱いまなざしで、一人ぼっちになっても見てるのに。貴方の視線はあの子の方ばかり追いかけてるのね。たしかに彼女は同性のわたしからみても、美人だわ。でも、性格はひどいのよ。貴方は知らないでしょ。わたしをみんなに無視するようにしむけたのは、あの子なのよ。わたしをかばうふりまでして、みんなから尊敬されたいだけのひどい子なのに。

伊佐木(いさき)さん?顔色悪いけど、大丈夫」

「ええ、ご心配なく」

ほら、こうやってわたしの心配なんかして。本当は、わたしが根をあげるのを、助けを求めるのをまっているだけなんだから。それなのに、みんなわたしが悪いみたいに言うのよ。

稚奈(ちな)ちゃん、本人が大丈夫っていってるんだから、大丈夫だよ。ねぇ伊佐木さん」

「ええ」

わたしは気分が悪いけれど、平気なふりをするの。いつものこと。



 ああ、なんてひどい女なの。貴方をそでにするなんて!ちょっと美人だからっていい気になって!いいわ。あなたがあの子を好きだというのなら、あの子があなたの物になるようにわたしがんばるわ。あなたとずっといっしょにいたいと願って伸ばしてきた髪だけど。卒業したらわたしたち離れ離れになるのだもの。願掛けは失敗してしまったのね。きっと何か生け贄(スケープゴート)が必要だったのかもしれない。もっとちゃんとした願掛けの方法を調べるべきだったわ。わたしが悪いの。だから、せめてあなたにあの子をあげるから。あたしの髪の毛を切って、願掛けを解くわ。きっとあなたが喜んでくれるように。


 あたしは切った長い髪を手にして、試しに広げてみた両手に捧げ持つ。重くはない。でも、この長さなら十分に役立つわ。あとは、必要なものをそろえなきゃね。待っててね。卒業式までに間に合うように。内緒のプレゼントを贈るから。


省吾(しょうご)、あんた宛にクール便きてるんだけど。えらい重いのよ」

 俺は母親にいわれて、玄関においてある小包をリビングまで運んだ。確かに異様なほど重いし、宛名は俺になっている。

「送り主は……伊佐木桂子(いさきけいこ)?」

「知り合い?」

「たしか、クラスにいたけど……口きいたことねぇよ」

「ふぅん……生ものってあれじゃない。三年分のチョコレートとか」

 母はにやにや笑う。

「なんだよ、それ。気色悪いな。とにかく、あけてみるけど……」

 俺は、しっかりとまきついているガムテープをはがし、それをあけた……。


『速報です。今朝、T市で発見された首のない遺体の首が見つかりました。被害者は三原稚奈さん、十八歳。首はクール便で同級生に送られたということで、現在、送り主である少女に事情を聴いているということです』



【終わり】

診断メーカーより

お題は『スケープゴート(生け贄)・一人ぼっち・かみの毛をきる・試しに広げてみた両手・内緒のプレゼント』です http://shindanmaker.com/35731


五つも書くのが無理だったので、一話に突っ込みました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ