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蒼眼の絆  作者: yomogi125
第一部 イカれた旅行
3/9

イカれた旅行

すっごいおくれました、ごめんなさいm(_ _)m

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ブツッ…

俺は電話を切った。

何を馬鹿らしい、ただの茶の間の濁し話になんで乗っているんだ。

ただ暇だったから話を膨らませただけじゃないか。

そう考えると、聞いていた30分が無駄に思えてくる。

今更だが、正直にゲームでもやってればよかったな。

でも、せっかく暇つぶしをしてくれたんだから、嫌味のようにアドに言うのはよしておこう。

それから俺は、いつもと変わらない時間を過ごした。


それから1時間ほど経った頃か、小腹が減ったので昼食を作る事にした。

めんどくさいのでパスタにしよう、そのあとは何も考えず、2人分を茹でた。

声を荒げてアドを呼んだが、アドは来なかった。

舌打ちを一回し、家の中を探し回る。

いくら森の中にあるほどの過疎地区に住んでるとは言え、家の大きさはさほど大きい訳でもない。

すぐに探し終わったが、アドはどこにもいなかった。

「あいつ…外にいるのかよ。」

ため息を尽きつつ、窓から外を見てみる。

すると玄関の前あたりに、空を見上げているアドの姿が見えた。

「おい!飯だって!!」

返事はなかった。

かなり大きな声だったので、聞こえてないという事はさすがに無いだろうと思ったが、一応もう一度言ってみる。

…やはり返事はない。

俺は仕方なく、窓から身を乗り出し外に出た。

そしてスリッパのままアドに近付き、やや強い力で肩を叩いた。

「飯だぞ。」

「ん?ああ、ごめんごめん。」

「ごめんごめんじゃない、大体こんなところで何してたんだよ?」

「ちょっとね、考え事。」

手を掴み、やや強い力で引っ張りながら玄関へと戻った。

だが少し疑問に思った事がある。

それは、アドが立っていた周りに、微かに模様のような焦げ跡があったからだ。

けど今は関わらない方がいいだろうと、俺の本能が訴えていた。







その出来事から二日後、本来は例の約束をした日だが、どうせ嘘だろうとたかをくくっていた。

いつものように起き、いつものようにご飯を食べ、いつものようにゲームをした。

ただ、約束をした時からアドの様子は変だった。

誰かにとりつかれたように薄く笑い、何かの時間をカウントしていた。

その時間は夕方の5時、何の意味があるかは知らないが、5時から出掛けるというのも考えられないので何か別のカウントだと思っていた。

俺はその時までゲームに集中していて、アドが何をやっているのかは知らなかった。

そして置き時計が5時を知らせ、シーンとした空気になる。

違和感があったので置き時計を見たが、数秒経っても何も起こらない。

安心してコントローラーを握り直したその時、誰かに腕を握られた。

さっきまで何の気配も無かったのに、突然腕を握られたのだ。

俺は飛び跳ねるように驚き、掴んだ主を見る。

そこには無論、アドがいた。

俺はようやくいつもと違う違和感が消えたので、アドに話してみる。

「びっくりした~…すっごい胸騒ぎがしてたから何事かと思ったら、アドの脅かしかよ。今のはマジでびびったよ。」

だが、表情一つ変えずに俺の顔を見ている。

「…何?どうしたの?」

手を動かし払おうとしたが、力が強すぎる。

とても女とは思えない力だ。

そして口を開いた。

「約束の時間。」

そういい、俺を掴んだまま立ち上がった。

アドは俺を軽々と引き摺り出し、外へと向かう。

俺は訳もわからずパニックになった。

「はぁ!?なんだよ約束の時間って!俺なんか約束したっけ!?」

彼女の顔の恐怖心からテンパり、まともな判断が出来ない。

「もしかしてあの話か!?あれ嘘じゃないのかよ!!」

返事は無く、そのまま連れてかれる。

「なあ!何とか言えよ!!おふざけには度が過ぎてるぞ!?」

到底彼女の耳には入っていないだろう、ただ、淡々と目的に向かって歩いているようだった。

とうとう外まで連れ出され、一昨日アドが立っていた場所の近くまで連れて来られた。

だが、一昨日とは違い、模様のような焦げ跡が、完全に円形の模様になっていた。

そしてようやく、俺の腕は離された。

「…なんだよこれ?」

「見ての通り、魔法陣だよ?」

「魔法陣って…ふざけてるだけだよな?」

彼女は真剣な顔だった。

「いい加減にしろよ!?お前みたいな変な女、家に置いてやっただけでも感謝してもらいたいくらいなのに、こんな事していいと思ってるのかよ!!」

「誰も感謝なんてしていない。でも、約束はしたはず。」

もはや感情のない言い方だった。

「ああそうかよ…そんなに俺をからかって楽しいか!?いくらゲームが好きだからって、現実逃避なんてしたことないんだよ!こんな子供騙しみたいな手口で引っかかってたまるか!!」

「子供騙しでも現実逃避でもない、あなたはただ向こうの世界に行けばいい。」

俺は模様の中に押し入れられた。

なぜか出ようとしても、ガラスのようなものがあってでられなかった。

「おいおいおいおい…!出せって!おいこら!!」

「観念して、もうそこからは出られない。向こうに行かない限り。」

「お前はさっきから、向こうの世界とか言ってるけど何なんだよ!ゲーム設定はいらねえんだよ現実には!!」

「これはゲームじゃない、現実逃避はそこまで。」

「ああそうかい…!じゃあこれは、ゲームのような連鎖空間への行く方法って訳だな?もちろんお前も来るんだよな!?」

「もちろん、そこが私の帰る世界。」

「わかったよ…観念するさ!その代わり、向こうの世界で会ったら、俺はお前を絶対ぶっ殺すからな!!」

「望むところ。」

「度胸がいいな…だったら覚えておけよ、この大馬鹿者ォォ!!」






俺は一瞬で消え去り、アドも数秒後には、消滅するように消えていった。

投稿できなかった間書き溜めができたので、しばらくは毎日投稿できると思います。

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