4月25日~帰り道にご用心!?
タイトルが少し変わりました。
ブラコン!!だけじゃ味気ないと思ったので...。
タイトルについての意見は感想に送ってください。
さて、いよいよ明日に迫りました。
...何がって?
鈴葉の誕生日だよ。
はぁ、今年は何をプレゼントしようか。
今日中に買わないといけないな。
本はあいつ小説とか読まないしボツ。
服とか靴とかプレゼントするもんじゃないし。
こうして一日中迷った結果、何も決まってない。
おい、マジでどうする。
こうなったら欲しい物をさりげなく鈴葉に聞くしかない。
「お兄ちゃ~ん、待って」
校門付近で鈴葉が俺のほうに向かって走ってくるのが見えた。
チャンスだ、今聞けば家に帰ってからプレゼントを買いに行ける。
気づかれないように、そうさりげなく、さりげなくだ。
「お兄ちゃん、もうプレゼント買った?」
「えっ...」
予想外すぎる。
向こうからその話題を持ち出してくるなんて。
けど、どう答えよう。
まだ買ってないって言ったら、「まだ買ってないの!?」とか言われそうだ。
買ったって言ったら言ったで会話が終わるし...。
「ははん、その顔から察するにまだ買ってないな~」
答えるまでもありませんでした。
なんでこいつはこうも勘が強いのだろうか。
お前、将来ギャンブラーにでもなれよ。
言い当てられた俺は、「まぁ、そうだな」とだけ言う。
何か言い訳を言おうとしてもすぐ見破られるので言わないことにしている。
「まだ買ってないんだったら、欲しいものがあるんだけど」
ら、ラッキー。
これで悩むことはなさそうだ。
神は俺を見捨ててなどいなかった。
「高すぎるものは買えないぞ」
ちゃんと鈴葉に釘を刺しておく。
以前に短期のバイトをしていたのでお金はそこそこあるのだが、この先何があるか分からないからな。
用心しすぎて損はないだろう。
「そこは大丈夫、高いものじゃないから」
それなら俺も何も言うことはない。
鈴葉が欲しい物をあげた方がいいだろうしな。
「で、何が欲しいんだ」
今日中に買える物なら買っておこう。
無理なら明日の朝にでも電車に乗って買いに行けばいいや。
「何でもいいんだよね?」
「あぁ、別にいいぜ」
何でここまで聞いてくるんだろうか?
さっさと欲しいものを言えばいいのに。
「私が欲しいのは...」
「欲しいのは?」
「明日、お兄ちゃんとデートをする権利です」
「...はぁ?」
物じゃねぇー。
ってことは、俺は明日、鈴葉とデートしなきゃいけないってことか!?
ありえない、血は繋がっていなくても兄妹だぞ。
「却下だ」
「さっきお兄ちゃん、何でもいいって言った」
それは物の話だと思ったからだよ。
まさかこんな要求をされるとは思っていなかったから...。
「お兄ちゃん、まさか私に嘘ついたの?」
突然、鈴葉の表情が曇り始め、今にも泣き出しそうな顔になる。
「いや、そうじゃなくて」
と慌ててフォローする俺。
「じゃあ、明日デートしてくれるんだね、やったーー!!」
...まんまと罠に引っかかりました。
はぁ、どうして男って女の涙に弱いんでしょうかね。
そのままズルズルと話が進んで行き、明日デートをすることになってしまった。
明日という日が来なければいいと、思い続けた俺だった。