4月6日~家族は恋愛対象に入らない
注)この話には、ブラコン成分が不足しています
「ふむ、私は3組のようだ」
昇降口で鈴葉と別れた後、職員室前に張ってあるクラス分けを涼姉と見ていた。
俺は...2組だな。
さて、クラスも分かったことだし行くとするか。
「恭平、今日は生徒会の会議があるから昼ごはんはいらないからな」
「分かった」
涼姉はそう言うと階段を上っていった。
丹波高校は下から1,2,3と上に上がるにつれて学年が上がる。
俺は二年だから二階に教室がある。
さて、今年は誰と一緒のクラスなんだろうか。
そう思いながら教室の扉を開けた。
「恭、ひさしぶり」
「また、お前とかよ」
俺に話しかけてきた体育会系のこいつは俺の悪友、大友修也。
もっとも体育会系なのは見た目だけで、部活は俺と同じくどこにも所属してない。
親が空手の師範らしく、それに付き合っているうちにこうなったんだという。
...まぁ、そうなるよな。
「今年こそは、彼女を絶対に作るぞ!」
「お前、去年も同じこと言ってたぞ」
ちなみに、一昨年もそんなことを言っていた。
修也は、彼女を作るとか言ってるくせに自分から告白しない。
その理由を聞いてみたら、「だ、だって恥ずかしいじゃん」と言っていった。
止めてくれ、その図体で言われるとかなり気持ち悪い。
「お前はいいよな」
「ん?」
「いつでも彼女が作れて」
「はぁ?」
前から変なやつだったが...ついに壊れたか。
「俺はそんな特殊能力持ち合わせていないぞ」
「いやいやいや、そうじゃなくて」
「?」
修也は何が言いたいのだろうか。
さっぱり分からん。
「お前に好意を持っている人がいるって事だよ」
「...誰?」
「佳奈さんだろ、涼さんだろ、鈴葉ちゃんだろ、あと...飛鳥ちゃん」
「なっ...」
考えられない。
姉と妹と付き合うなんて。
「血はつながってないんだろ?じゃあ、大丈夫じゃねぇか」
「そういう話をしてるんじゃない」
確かに、血はつながっていないけど姉と弟、兄と妹の関係だぞ。
あと、飛鳥とは血がつながってるからな。
「もったいねぇな」
「何が?」
「俺が恭だったら、絶対その中の誰かと付き合うぜ」
「そんなもんかなぁ...」
家族補正を抜いても全員、美人だしかわいい。
もし、俺が兄や弟じゃなかったとしたら誰かに惚れていたかもしれない。
だけど、俺たちは男と女である前に家族だ。
だから、そうはならないし...そうなってはならないのだ。
教室の窓から見た空は俺の心とは正反対に青く澄んでいた。
次回、新ヒロイン登場...だと、思います