6月2日~体育祭③
PVが10万件を超えました。ウレピー、ハッピー、これからもヨロピクねー。
第2種目は二人三脚だった。
えぇ、そりゃあもう幸せそうでしたよ。
安住が。
修也は・・・・・・うん、もう言わなくても分かるよな。
『第3種目~玉入れ』
定番中の定番玉入れ。
高校生になって玉入れを体育祭に組み込むのはどうかと思うが楽なので許す。
「がんばりましょうね」
「そうだな」
この種目には俺と桐原が出場する。
出場割合はどちらかというと女子の方が多い感じだ。
俺のクラスだけでなく他のクラスも同じような割合だ。
「今さらだけど玉入れにコツって何かあるの?」
「さぁ、正確に投げるとかじゃないですかね」
「俺は1度に多く投げるだと思ってたよ」
「けど、それじゃあコントロールするの難しくないですか?」
「・・・難しい」
狙ったところに飛んでくれない。
半分運だよな、この競技。
「恭くーん、がんばれー」
「・・・・・・・・・」
「呼ばれてますよ」
知ってるよ、聞こえてるよ。
その声のする方向を見たくないんだ・・・全力で。
見なくても分かるもん、誰が言ってるか。
「恭くーん」
このまま名前を言われ続けるのも恥ずかしいので声のする保護者テントを見ると佳奈姉が手を振りながら座っていた。
隣に鈴葉と飛鳥も手を振って応援しているのが見える。
仕方が無いので俺も3人に向かって手を振る。
何故これだけの動作で佳奈姉はあんな幸せそうな顔ができるのだろうか。
知りたいとは思わないが・・・。
さてと・・・今はこっちに集中しないとな。
玉の位置を確認し開始後すぐに取れるようにしておく。
さぁ、いつでも来い。
「位置について用意・・・」
パーーーン。
開始の合図と共に無数の玉が宙を舞う。
俺の投げた玉はかなりの確立で入っているがチームで見れば他のチームよりも少し少ない。
やばい、このままじゃあ・・・。
パーーーン。
終了の合図がなりカゴに入った玉の数を数えるためにカゴが地面へと下ろされる。
最後の方にかなりの数を入れたはずなんだが間に合ったか・・・。
「それでは数えていきます。1,2,3」
アナウンスの声に合わせてカゴから玉が外へ出されていく。
半分くらい減り見た目じゃどのチームが勝ったのか分からないくらいの接戦だった。
「34,35、おっとここで1組が脱落」
まず落ちたのは1組か。
前半は勢いがあったが後半になってから苦しそうだったからな。
次はどこが落ちる。
「37,38,39、4組もここで玉が無くなりました」
4組が脱落。
残るは俺たち2組と3組か。
頼む・・・勝っててくれ。
「43,44,45,46、ここで2組が無くなった。よって勝者は3組だ」
あぁ・・・負けたか。
かなり惜しい勝負だったな。
やはり前半手間取ったのが痛かったか。
だが2位通過だ。
上出来だろう。
テントの帰り際に保護者テントから佳奈姉がカメラのシャッターを切りまくってたことは見なかったことにしよう。
無駄に高性能なカメラだったことも記憶から消去っと・・・。
『第4種目~障害物競走』
障害物競走はトラックにある物を避けたり指令をクリアしたりするものだ。
至って普通だし見所も無いと思われている。
しかし、この丹波高校の障害物競走は1味違う。
具体的に言うと最後の借り物が曲者なのだ。
こんなもんどこから借りてくればいいんだよっていうのが書かれていたりする。
所謂ワイルドカードみたいなもんか。
確か去年は・・・・・・小学生だったかな。
飛鳥がいたから助かったけど。
一歩間違えれば犯罪者になりそうな指令内容だ。
今年は何が書いてあるのやら。
・・・おっ、俺の番が来たみたいだな。
「位置に着いて・・・」
パーーーーン
スタートダッシュを上手く決め最初の障害物平均台を軽々とクリアする。
毎年やってたらさすがに慣れてくるな。
次はハードルの下を潜り抜ける。
これも楽勝。
ちょっと後続との差が詰まってきたがまだまだ余裕がある。
クイズ、竹馬、網潜りと障害物をやってのけ最後の難関、借り物が来た。
差が詰められてきてるから選んでる時間は無い。
一番手前にあったカードを取り指令を見る。
「・・・・・・はぁ?」
えっ、何この指令。
できないことは無いがさすがに・・・。
しかし、再度カードを引くことは禁止されているのでこれをするしかない。
俺はこの指令に該当する人物を1人知っている。
気は進まないが行くしかないだろう。
俺は保護者用テントへ走って行きその人物の前に来た。
「佳奈姉、ちょっと来てくれ」
該当してる人物とは佳奈姉だ。
佳奈姉は驚いていたが同時に嬉しそうでもあった。
それにしても笑顔が眩しいね。
何がそんなに嬉しいんだろうか。
「分かりました、喜んで」
二つ返事で返してきた佳奈姉を連れてゴールへと向かう。
ゴールテープを切り1着でゴールをする。
指令の書かれたカードを係員に渡して該当するか確認してもらう。
カードを見た係員はかなり驚いた表情を見せた。
仕方が無いか、指令内容が・・・そのあれだし。
「本当にそうなんですか?」
「本当にそうです」
係員が尋ねてきたので俺は渋々答える。
係員は佳奈姉を見たあと「OKです」、と言ってカードを足元のボックスの中に入れた。
障害物競走が終わり佳奈姉とテントに戻る時に佳奈姉が俺を呼び止めた。
「あのカードには何て書いてあったんですか?」
「あぁ・・・まぁ、佳奈姉に関することだよ」
「???」
怪訝な顔をする佳奈姉を急かしテントへと戻らせる。
言えるわけ無いよな。
E以上の女性なんて指令内容を・・・。