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6月2日~体育祭①

今回は短めです

 体育祭当日。

俺は憂鬱で仕方なかった。

涼姉りょうねぇのためとは言えど、あまり争いごとは好きじゃないんだよな。

めんどくさいし・・・。

体育祭の開会式を始めるために俺たちはグラウンドにクラス別に列を作って並んでいる。

前では涼姉が開会宣言をしている最中だ。

ふと目線を右の方向へずらすとあの男子生徒がいた。

何かニヤニヤしながら涼姉を見てる・・・。

引くわ、正直ドン引きだわー。


「修也、あのニヤニヤしてる男子知ってるか?」


「ん・・・あぁ、たぶん坂上じゃないか」


「どんなやつ?」


「サッカー部の期待の新人らしい。運動神経抜群であのイケメンだからかなりモテてるって噂だ。男の敵だな。けど、女癖も激しいらしい。中学のころなんか5股くらいしてたって聞いたことがあるぜ」


「5股って・・・」


「あんま関わらない方がいいぜ」


ごめん、もう遅いわ。

関わるどころか勝負持ち込まれてるし。

だが、これで決心が付いたな。

あんなやつに涼姉を渡すわけにはいかない。

心に誓いながら開会式は無事終了した。




そこからの俺の行動は早かった。

あまり褒められたやり方じゃないが確実に勝つためだ。

致し方なし。


「おい、皆聞いて欲しいことがあるんだ」


クラスのテントに戻った俺はクラスメイトに向かって言葉を発した。


「サッカー部の1年の坂上ってやつ知ってるか?」


坂上の名前を聞いた途端、男子は眉間に皺を寄せ女子は「あのイケメンの」とか言い始めた。

皆知ってるもんなんだな。


「実は・・・その坂上とある勝負をしてるんだ」


「勝負って何?」


クラスの女子の1人が質問をしてきた。

勝負ってだけじゃ何のことだか分からないから当然だ。

そこで俺は以前に涼姉と坂上、そして俺との間で起こった出来事について話した。

その瞬間、クラスメイトの目が変わるのを俺は見逃さなかった。


「何、その話本当か?」


「涼さんに手を出すなんて・・・どうやら死ぬ覚悟があるらしい」


「お前ら戦の準備だ」


体育祭の前に死人が出そうだ。

主に坂上とか・・・。


「俺もあんなやつに涼姉と付き合うための手伝いなんてしたくない。だから、この体育祭で全力を出してもらいたい。いいか?」


「「「当たり前だろ」」」


クラスが1つになった瞬間だった。

涼姉の人気は性別を超えてあるからな。



「絶対この体育祭で(坂上のチームに)勝つぞ」


「「「「おーーーー!!」」」」


テントで気合を入れる俺たち。

テンションは最高潮だ。



体育祭、開催だ。

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