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5月12日~遥 襲来④

ヤンデレ最高です。現実にいたら恐いですけど・・・

 安住が転校して来て1週間が過ぎた。

安住は美人だし、何に付けても非の打ち所の無いやつなのでクラスに馴染むまで時間はかからなかった。

たぶん、もう俺より友達が多い。

あれ、客観的に見たら俺ってやばいんじゃ・・・。

友達と胸を張って呼べるやつが片手の指で足りてしまうぞ。

泣きたくなってきた。

すでに泣いてるやつもいるけど・・・。



「俺のバラ色の高校生活が・・・」


修也の言っていた通り安住が転校して来てから修也に話しかけてくる女子が少なくなっていた。

話しかけてくる女子もいるがほとんどが委員会や提出プリントなど事務的な話の内容ばかりだった。

つまり、小学校の時と同じになってしまったのだ。

桐原だけは修也に話しかけるのを許されてるらしい。

何故かは知らないが。


「修也、もう諦めろよ」


何事も諦めが肝心だぜ。

俺も家庭内ヒエラルキーの最下層にいるから分かる。

足掻いても無駄なことに。

男って生き物は女って生き物に勝てないようにできてるのさ。



「恭、合コンをしようぜ」


「いきなり何どうしたんだよ。」


「この学校に俺のオアシスは無くなった。なら、外にオアシスを求めに行くのが自然の摂理だ」


「自然の摂理ね・・・」


まぁ、お前の気持ちは分からないでもない。

けどな・・・。


「止めといた方がいい」


「何でだよ。絶対楽しいって」


「そりゃ、楽しいだろうけど・・・」


「けど?」


「ばれたら死ぬぞ、俺たち」


「・・・・・・」


俺は家族に修也は安住に互いに死ぬ思いをさせられるだろう。

いっそ殺してくれと叫ぶくらいに。

俺は1度経験がある。

修也に人数合わせのために合コンに連れて行かれたときのことだ。

合コンが終わり特に何も無いまま家に帰ると玄関で案の定、佳奈姉かなねぇが待ち構えていた。

しかも笑顔で。

それから、携帯を取り上げられ一応交換していた女子のメールアドレスを消された。

そしてそのまま佳奈姉の部屋に連れて行かれた。

佳奈姉の部屋で何があったかは皆さんのご想像におまかせしよう。

とても俺の口から言えるものじゃない。

あのころくらいだったかな。

佳奈姉が俺の持ち物に発信機とかを付けるようになったのって・・・。


「「・・・・・・・・・・・・」」



男二人が完全に沈黙した瞬間だった。


「なぁ、恭」


「・・・何だよ」


「遠くに旅をしないか、もちろん2人だけで」


「安住に言ってやれ、泣いて喜ぶぞ」



嫌だよ、男2人旅なんて。

あっちかと思われるだろ。

俺なんてちょっとその疑いをかけられたことがあるんだからな。

あんなきれいな家族がいるのに手を出さないのはおかしいって・・・。

おかしいのは俺か世間か分からなくなってくる。



「やっぱ、合コンに行くしかないって。かわいい子揃えとくから恭も来いよ」


「えー、姉さんが絶対・・・」



鬼を見た。

修羅と呼んでも差し支えないだろう。

修也の後ろに安住が立っていた。

俺には見える。

あれは飛鳥が出す不機嫌オーラによく似ている。

いや・・・飛鳥が出すオーラよりも強い。

しかし、修也はまだ気づかない。

合コンの魅力を熱く語っている修也を冷たい目で見下ろす安住。

これは・・・詰んだな。



「修也さん、合コンに行くつもりですか?」


修也の顔が固まった。

俺は最近修也の顔が固まる光景を見すぎてる気がする。

修也、教訓を生かせない子。

修也は安住にガシッと制服の襟を捕まえられ教室の外に連行されていく。



「恭、助け・・・」


修也すまない。

俺が助けに行ったところでたぶんボコボコにされて終わるだろう。

そうなるとどうなるか。

家族が暴走する危険がある。

なので、俺は襟元を掴まれ引っ張られていく友人を見送ることしかできなかった。







近々、人物紹介を載せたいと思っています。


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