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5月2日~遥 襲来①

PV50000超えました。ありがとうございます。

 「はぁー」

4時間目の授業が終わり教室で昼飯を食べてる時に修也が大きなため息をついた。

「どうしたんだ?」

気になった俺は修也に尋ねると

「お前の弁当はうまそうだよな」

と修也は俺の弁当を見て言った。

俺の弁当は佳奈姉かなねぇが作ったものだ。

二段の弁当箱の中には鳥の唐揚げ、卵焼き、コロッケ、サラダとバランスのいいおかずが入っている。

自分と涼姉りょうねぇと鈴葉の弁当も佳奈姉が作っている。



「普通の味だぞ」

鳥の唐揚げとコロッケは市販のものだし、サラダなんてレタスを千切っただけだ。

唯一作ったと言えるものはこの卵焼きくらいだろう。

「分かってないな」

修也は首を振りながら否定をする。

そのお前はそれだからみたいな動きは止めろ。

正直・・・うざい。

「佳奈さんが作ったものだからいいんだよ」

修也の言葉にクラスにいた男子のほとんどが、「そうだ」と言わんばかりに頷いている。

「涼さんや鈴葉ちゃんの作ったのでもいいぜ」

修也、それはあまりおすすめできないな。

その2人は料理が壊滅的に下手だから。

涼姉は味音痴だし、鈴葉は隠し味とか言って訳の分からないものを入れるからな。

料理がうまい順に並べるとしたら、

佳奈姉>俺>飛鳥>鈴葉>涼姉  だろ。

小学2年生に負ける中2と高3って・・・。



「要するに・・・お前は女子が作ったものが食いたいだけだろ?」

「その通り」

否定して欲しかった。

まさかそんな勢いで肯定されるとは思っても見なかった。

「卵焼きくらいならやるぞ」

「マジか!!」

そんな血走った目で見ないでくれ、恐いから。

「じゃあ、お言葉に甘えて・・・」

修也はそう言って俺の弁当から卵焼きを取り食べた。



「俺、今日・・・死ねるわ」

修也は涙を流しながら卵焼きを食べていた。

卵焼きを食べて死ねるって・・・。

お前の命の価値は30円くらいなのか。

「恭、お前毎日佳奈さんの手料理・・・食べてるのか?」

「毎日ってほどでもないけど、だいだいそうかな」

佳奈姉の帰りが遅い時は俺が作ったりしてるけど。

「俺はお前を殺してやりたい」

何でそうなるんだよ。

クラスの男子も頷くな。

地味に傷つくだろうが。



その日の夜、俺はリビングでテレビを見ていた。

内容は動物特集らしく子犬や子猫、他にもかわいい動物が出ている。

奥村家は涼姉と飛鳥が犬派で佳奈姉と鈴葉が猫派となっている。

俺?俺は・・・魚かな。

俺の膝の上には飛鳥が座っていて一緒にテレビを見ている。

テレビを見る時に飛鳥が膝の上に座るのはお決まりになっていて、特に気にすることではない。

涼姉は自分の部屋で勉強しに行き鈴葉は、ソファで寝転がってゲームをしている。

佳奈姉は俺の隣に座り本を読んでいる。

とてもゆったりとしたいい時間だ。



「飛鳥、ちょっとトイレ行きたいからどいてくれ」

飛鳥が膝から降りるを待ってからトイレへと向かう。

ピーンポーン。

ちょうどその時、インターホンが鳴った。

誰だ、こんな時間に。

壁にかかった時計を見ると10時を回ろうとした時だった。

怪しいと思いながらも俺は玄関に向かった。



鍵を開け扉を開けると、そこにいたのは修也だった。

見ると手にはスポーツバックを持っている。

「どうしたんだ、修也?」

修也の顔をよく見ると血色が悪く、息も荒い。

本当にどうしたんだろうか?

「恭・・・頼みがある」

修也の声が震えている。

俺は修也のこんな姿見たことが無い

修也は声を振り絞るように言った。



「俺を泊めてくれ!!」


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