表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/64

4月26日~鈴葉とデート①

これが、いわゆる鈴葉ルートと言うやつか・・・

 「ちょっと、出かけてくる」

俺は、リビングにいた佳奈姉かなねぇにそう言った。

「どこに行くんですか?」

「鈴葉のプレゼントを買いに行ってくるんだよ」

「今日は早く帰ってきてくださいね」

「分かってる」

そう言うと、俺は玄関に行き靴を履き待ち合わせ場所に行く。



鈴葉は友達が誕生日パーティーを開いてくれると佳奈姉に言い、先に家を出ている。

理由は簡単だ。

もし、俺と鈴葉が買い物、もといデートをすると分かったら全力で止めに来ると分かっているからだ。

俺はそっちの方が良かったのだが、鈴葉が見落とすわけがない。

鈴葉はそれを見越して作戦を立てていた。

作戦はいったってシンプルかつ合理的な方法だ。



別々に理由をつけて家を出て、待ち合わせ場所に集まるというものだ。

最初は、こんな作戦じゃダメだと思っていたが案外シンプルなほうがうまくいくらしい。

鈴葉は本当に駆け引きがうまいな、と感心までするほどだ。

おっと、もうそろそろ待ち合わせ時間だ。

俺は、少し急いで鈴葉との待ち合わせ場所に向かった。



待ち合わせ場所は駅前にある広場だ。

広場の中心には噴水があり、一定時間が経つと水が中央から噴出す仕組みになっている。

さてと・・・鈴葉はどこにいるんだ。

広場を見ながら歩いていると、噴水の前に置いてあるベンチで鈴葉の姿を見つけた。

黒と赤のチェックのスカートとお揃いの袖のない服、いわゆるノースリーブを着ていた。

まだ夏じゃないが、今日は暑くなりそうだから大丈夫だろう。

俺はシンプルにジーパンとTシャツ、黒のジャケットを着ている。



鈴葉に駆け寄ると鈴葉のほうも俺に気づき、

「待ち合わせ時間よりちょっと遅れたけど許しましょう、私は今機嫌がチョー良いからね」

と言ってきた。

朝からテンション高いな。

付いていけねえよ。

「で、これからどうするんだ」

デートプランは全て鈴葉に任してある。

本来は男である俺がするべきなんだろうけど、鈴葉が任せといてと言ったので任せることにした。

広場に集まったってことは電車で移動でもするのかな。

正直、この辺の地域にはデパートなんかがない。

あってスーパーや本屋くらいだ。

なので、あまりデート向けではないのだ。



「まずは電車にでも乗ろう」

鈴葉がそう言い、駅へと歩き出す。

やっぱり移動するのか。

そっちの方が佳奈姉達に見つかることもなさそうだしいいか。

俺は鈴葉のあとを追って駅の中へと入った。



鈴葉とのデートは始まったばかりだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ