小柄な少年
出会い系アプリからの通知。
どうするべきか迷った末、連絡を始めることにした快斗の話
「バイトお疲れ様」
「帰ってゆっくり休んでね」
「はい、ありがとうございます!」
そう言い残し、俺は店を出た
先程のことを考える
例のアプリから通知がきていた
(んー、どうしようか)
そんなことを考えてる間に
家に着いていた
ゆったりと椅子に座り、スマホに目を落とす
(マッチングした相手は……誰だっけ?)
[らら]
ららさん? うーん…
流石に前♡した人なんていちいち覚えていない
アイコンは自撮り写真だったが
顔全体を手で覆っていて、
どんな顔かは全くと言っていいほどわからなかった
………
いろいろ悩んだ結果、連絡をすることに決めた
湊さんの告白の返事はまだできていないけれど
まあいいだろう
(えっとメッセージを確認っと…)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
らら
[♡ありがとうございます!]
[ららって言います]
[これからよろしくお願いします!]
バイト中に送られたと思われるそのメッセージは
割と好印象なものだった
(親しみやすそうな人でよかった)
1人で安心しつつ返信をする
海
[海です! これからよろしくお願いします!]
なるべく相手に喋り方を寄せる
これが相手に好感を持たれやすくする
ポイントらしい
返信が返ってきた
速すぎね、暇だったのかな?
らら
[海さん! よかったら明日、会えませんか?]
?
ほんとにここの住人
積極的な奴しかいないな
そう思いつつ、
若干慣れた手つきで返信する
海
[いいんですか!? 楽しみにしてます!]
会うのは早いほうがいい、好都合だよね
その後時間やら集合場所やらを決めて
俺は眠りについた
次の日
(あーーーー 緊張するー)
相変わらず怖い
顔わからなかったからな、
どんな人かな?
いろいろ考えつつ、
前と同じように服を情報源として
周りを見渡し、
ららさんと思われる人を探す
あ、
いた
…ほんとにあの人かな?
服の条件はバッチリだけど、
なんか未成年っぽくない?
そう思いつつ
つい遠くの少年をじっくりと見てしまった
(あ)
目が合った、
その瞬間少年は俺の服を見始める
(え、まじで?)
服を見終わったであろう彼は
小走りで俺の元へ来て一言
「海さん…ですか?」
予想できたのかもしれないが
急展開に焦ってしまい、
咄嗟に首を縦に振る
すると小柄な少年はにこりと笑い
俺に挨拶をしてきた
「らら こと吉良です!」
「お会いできて嬉しいです!」
そう発する彼の目は
とても、とても輝いていた。
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