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本物の恋 偽物の愛

高校生の湊は颯馬に恋をしていた。

しかし颯馬にはある秘密があって…


注意⚠️

多少の暴力描写があります

ものすごく苦手でなければよっぽど大丈夫かと思います。

若干の三角関係の描写があります

湊視点 

高校1年生の時のお話



「ねー俺のこと好き?」


「大好き」


「相変わらずだよねー 湊ちゃんは」


そう言いながら僕の頭を撫でる颯馬くんに

僕は期待しながら聞いた


「颯馬くんは僕のこと好き?」


「好きだよ、大好き」

「だからさ、今日もやらない?」




(僕にとって颯馬は初恋の相手だった)

(多分一目惚れだったと今ではわかる)




優しい颯馬くんは僕の好意を気持ち悪がらず

しっかりと受け入れてくれた


だから僕も彼からの好意に応えなければ


「うん、僕もやりたいな」


そう僕が言うと、大好きな人は

いつも通りに腕を開いてくれる


「おいで」


彼の要求に僕は喜んで応えた



ーーーーーーーーー



僕を愛してくれたのは颯馬だけだった


今となってはその愛が本物か、

それとも偽物か、

全くわからないけれど


多分、偽物だ。




……

「なにあれ、誰」




(僕の颯馬への愛は重すぎた)


(あの頃は颯馬も同じくらい

僕のことが好きだと勝手に感じていた)







違った

いつもなら僕がいる腕の中

そこにいたのは僕ではなかった


僕と違って小柄な少年


颯馬くんを見つめる目はとても輝いていて、

僕からみても美しいと思えるほどだった


会話までは聞こえなかった


しかし 

颯馬くんが一言発する度に

目を輝かせ、にこりと笑う少年


それを見て顔を緩ませる

僕の大好きな人



僕の前ではあんな顔していなかった


あれが颯馬くんの本当の顔



僕は颯馬くんにとって

一体、何の役割だったのか



そんなの考えたくない

気持ち悪い



ーーーーーーーーーーーーーー



僕が見てしまった日

その日から、颯馬くんは変わった


他の人から見たら全く同じだろう、けど


確実に僕への対応が変化した



「ねえ颯馬くん、ちょっと話したい事が…」


「あーごめんね」

「俺ちょっと忙しくてさ…」

「また会おう?」


そう言って彼は僕を抱きしめてくれる

やっぱり抱きしめられるのは好きだった


心地良さに時を忘れる、が気がついたら

彼は前に会っていた少年の元へ向かっていた


「おまたせ、おまたせ」


「もう! 遅いよ颯馬!」


「ごめんってー

ちょっと面倒くさい奴に捕まってたんだよね笑」



その言葉を僕が聞き逃すわけがなかった


改めて愛されてなかった。と再認識した






数日後のある日から

大好きだった人は学校に来なくなった

しかも同日にあの少年も見なくなった


教師に聞いても濁されて終わり



僕にはどうしようもなかった。


悲しみの矛先も、怒りの矛先も、

全部自分に向けるしかなかった。



---------------------------------------------




快斗視点

中学2年生の時のお話



痛い

痛い痛い痛い


今日も殴られる

おにいちゃんは頭が良いから

服で隠れるであろう、腹部などよく殴る


「痛い? ごめんねー」

「でもあと20発はいけるでしょ」


そう言って数を数え始める兄


「いーち…」

「にー…」

「さーん…」


数が増すごと痛みも増して

俺はもう限界に近かった


「おにいちゃ…ぐはっ」


……

「にじゅう!」

「お疲れ、もう寝ていいよ」


そう言い残すと兄は

スマホを持ってどこかへ行ってしまった




いつもこうだ

不機嫌な日は毎回殴られる


ただいつからか、殴られる頻度が減った


俺に興味を無くしたのだろうか

家に帰ってくるなり

部屋に籠もり、誰かと電話している様だった



やっと解放された

そう思って数ヶ月

遂に兄は俺の前に姿を現さなくなった


これ以上ないほど嬉しかった


兄がいない分、自分の時間が増え

普通の子として生活できるようになった

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