十四日目・某所
白と水色が全体の八割を占める所長室で、研究員が緊急の報告をしていた。
「所長。何故か雨男が晴れ男になる事例が発生しました。それと同時に都内の一か所が晴れました。」
「おかしいな。雨男が晴れ男に?そんな話聞いたことがない。」
手に持った報告書を見ながら話す研究員。
「医師によると診断結果が間違っていたと…」
「そんなことはあり得ない!百パーセント間違えない技術を使用しているのだぞ!!」
所長と呼ばれた男は机を叩いた。それに研究員はビクリと反応する。ここは何処かにある研究所。晴れ女、晴れ男について研究をしている。所長の男は起こる事のない状況に怒りをにじませた。
「私は認めんぞ!!!」
彼は雨男、雨女が嫌いだった。嫌いなやつらが自分と同じ属性になったことに耐えられず感情が爆発した。
「そいつを連れてこい!!!!!!!」
「今すぐに。それでは失礼します。」
所長室からお辞儀をした研究員が出て行くと扉がノックされた。
「私です。」
「あぁ、君か。入り給え。」
入ってきたのは三十代から四十代くらいの女性で手には木製のトレーを持っていた。
「紅茶を持ってきたのですが飲みますか?」
「いただくよ。」
先ほどまでの表情が嘘のように優しくなり、一口、適度な温度の紅茶を飲んだ。