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「第13話」優子のお礼

 コンサートの2日後の夜、料理長の店を家族で訪ねる。優子はやっと主人の仲間と話せる期待に嬉しそうだ。


大輔「なあ優子。今日さあ。俺、もしかしたら師匠と飲むかもしれないから、帰りは車を運転してくれ。もし、そうなったら俺は師匠のマンションに泊まるよ。」


長男「あの有名な料理人の家に泊まるの!お父さんってすごいな!」

次男「でも、父ちゃんなら味で負けてないはずだ。」


大輔「師匠のマンションなら引っ越し祝いで行ったよ。あのな、出来たてのウナギと玉子焼きだけは自信あるけどな。後は勝てないよ。なんたって俺の師匠だからな。。」


優子「寿司はどうなの?あなた本職じゃないの。」


大輔「どうだろうな?そういえば、寿司は考えたことなかったな。。いや、寿司は本職じゃないぞ。一度も修行してないからな。まあ、玉子焼きが勝ってたらいいさ。あのな?一番最初に玉子焼きを教えてくれたのは小学校1年生の優子だ。優子は俺の師匠さ。」


次男「小学校1年から。。愛してたのか!父ちゃん達。素敵だな!」


優子「当たり前じゃない。こんないい男は他にいないわよ。」


大輔「さあ。行こうか。」



 時間が近くなり、スーパーの駐車場で車から降りると料理長のお店に向かった。中に入ると大輔一家は、料理長の案内で、さきさん達の隣のテーブルに着いた。


大輔「あのー。さきさん。妻の優子と子供達です。」


さき「あら。なかなか、女を泣かせそうな子供さんねー。奥様、旦那様にはお世話になりっぱなしで。ひさお。お父さん。お母さん。大将の奥様と子供達だそうよ。あっそうだ。まりあの出産祝い。ご丁寧にありがとうございました。」


ひさお「いつも美味しい寿司ありがとうございます。」

母「本当に美味しいわよね。幸せそうな家族じゃないの。」

父「ああ。あんな美味いのは、そうは食べれない。すごいな。尊敬してますよ。奥様も鼻が高いでしょう。」


優子「おかげさまで幸せです。ちょっと、いろいろ挨拶に回ってきますので、また後でお話して下さい。」



 優子は大輔と子供達を連れて、挨拶に向かう。


大輔「師匠。本日はおめでとうございます。妻の優子と子供達です。」


料理長「いや〜、さっき思ったけどな。これは。。俺を捨てて奥さんのところに行くわけだな!そりゃー当たり前だよ。おーい!大将の家族だ。」


料理長の妻「あら。若い頃から旦那様にはお世話になりっぱなしみたいで。幸せになってよかったですね。末永くよろしくお願い致します。」


優子「世話になったのはこちらのほうみたいで。。本日はおめでとうございます。」



 優子は歩きだす。


大輔「優子。どこへ行く。。ああ、みゆさんか。」



 優子はみゆの家族のテーブルについた。久しぶりの再会にドキドキした。


優子「啓介さん。幸せになったんだね!よかった。本当に素敵な家族じゃない。」


啓介「えっ?もしかして優子なのか?これは驚いたな。。つまり大将が?へー。そりゃ無理だよ。」


優子「驚いたのは私よ。私より子供が早く出来てるなんて。。」


みゆ「この間は余裕なくて。あまり話せなくてすみませんでした。ひょっとして知り合い。。ああ、訳ありってことね。聞かないわ。ねえ、中学生なの?」


長男「僕は高校1年で弟は中学2年です。」


みゆの母「あっ!ひょっとして、アメリカに来る前のあなたの。。そういうこと!。。うわー。不思議ねー。」


大輔「えっ!つまり。。へー。それは確かに不思議だな。まさか、みゆさんの。。いや〜。何か嬉しいな。」


優子「お互いに約束を果たせて良かったわ。幸せになりましょうね。」



 優子達はゆなさんの家族、みゆさんの旦那さんの家族と話をすると、席に戻ろうとした。子供達の目の前にギリギリで店に入った有名声優が登場する。


声優「ギリギリ間に合った〜。疲れたわ〜。」


次男「うわーっ!すごい。」

長男「夢みたい。」


声優「私の名前はエミリアよ!こんばんは〜。大将のお子さん?いい男ね〜。」


長男「すげー。本物だよ。すげー。」

次男「膝枕いいな〜。」


声優「後で歌ってあげるね。」


料理長「ああ、本日はありがとうございます。お一人でしたよね?大将のテーブルにしますか?隣がさきさん達ですからいい席かと。。それか、みゆさんの旦那さんのテーブルなら同業界の方が。」


 声優さんはみゆの旦那さんの姉に手を振る。


声優「あら。特等席じゃない!さきさんの近くか。大将のテーブルでお願いします。」



 料理長の挨拶から始まった料理は本当に素晴らしかった。子供達も声優さんと話せて夢みたいな様子だ。


 参加した皆が幸せになる開店だった。


 最高の料理で幸せな気持ちで全員が帰宅する。大輔は車に乗る。


大輔「なあ。優子。やっぱり俺、師匠と飲むわ。」


優子「そう。素晴らしい仲間ね。行ってらっしゃい。明日迎えに来るから連絡して。」



 日本酒を抱えて戻る大輔を見送ると、子供達と帰宅した。


長男「声優さんと写真撮っちゃった。宝物だ。」

次男「さきさん達、あのアニメの歌を歌ったってことだよね。すごいなー。おれ、水着のお姉さんと写真撮ったんだ。」

長男「えー。いいな。綺麗な人だなー。」

次男「でも、おっぱいはみゆお姉さんが一番だったな!」


優子「コラ。変なこと言わないの!しかし、あまりにすごい人ばかりだったから、びっくりしたわ。すごかったな。あんな美味しいものは2度と食べれないからね。」


次男「父ちゃんの弁当だって負けてないぞ!」


優子「どちらも美味しい。それでいいの。勝ち負けなんてないくらいすごいんだから。さあ。帰るからベルトしなさい。」



 優子は長年の心の引っかかりが取れた。みんな幸せ。素敵な関係だわ。啓介さんの奥さんってすごく立派な人だったな。あの時はあまり考えられなかったけど。。私、啓介さんを幸せに出来なかった気がするな。人の縁って不思議だわ。大輔も含めてみんな有名人じゃない?すごいわね。


 仕事は違うけど、師匠とまた再び関われるなんて。。本当に良かったわね。大輔の努力と人柄だと思う。幼い頃のあの笑顔。。あれは誰にも負けない魅力だった。歳は取ってしまったけど、あの笑顔と純粋な気持ちを取り戻したのね。大切にしてくれた仲間のおかげだから、大切にするのよ。


【お知らせ】

全話のあとがきに一律宣伝でいれますが、この物語は


SAKI 〜〜 ある少女の人生物語 〜〜

https://ncode.syosetu.com/n9739iq/


の登場人物の寿司屋の大将の物語です。

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