表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/17

「第1話」誕生!

 門田家はごく普通のサラリーマンの家庭である。待望の我が子が生まれた。


 両親は大輔と名付け、たいそう可愛がった。


 大輔は、あまり頭の良くない子だった。保育園という世の中の荒波に出ていくと、いじめられ、次第に心を閉ざすようになっていった。


 そんな中でも、新しく引っ越しで保育園に入ってきた優子という女の子だけは大輔の味方になり、大輔の世話を焼いた。



 保育園児なりに、優子は大輔が大好きだった。


 いつしか、心を閉ざした大輔も優子だけには心を開くようになった。


 

 大輔のことを心配していた母親は、必死で優子の母親と仲良くなり、家族ぐるみの付き合いになった。


 ある日、大輔は優子の家に遊びに行った時に、優子が母親に教えてもらいながら玉子焼きを一生懸命作った。


優子「大ちゃん。わたしつくったから、たべて。」


 大輔は優子の作った玉子焼きを食べた。


 それはとても美味しい玉子焼きだった。大輔は初めて美味しい食べ物を作ることが出来ることを知った。


優子「大ちゃん。おいしい?」


大輔「うん。ゆうちゃんすごーい。」


優子「わたしとけっこんしたらまいにちたべれるよ。」


大輔「うん。」と満面の笑顔を浮かべる。



 優子の母親は思った。大輔くんのこんな笑顔は初めて見た。大輔くんの笑顔は天使のように感じた。



母親「ねえ、よかったら、大ちゃんも作ってみる?」


大輔「うん。ゆうちゃんにあげたい!」


 大輔は母親に教えてもらって夢中で作った。


母親「ちょっと焦げちゃったね。でも食べられるよ。」


 嬉しそうに、優子に玉子焼きを持っていき「ゆうちゃん。たべて。」


優子「おいしいー。ありがとう。」



 夕方まで一緒に昼寝すると、大輔の母親が迎えに来た。


 優子の母親は大輔くんが玉子焼きを食べた時の笑顔がキラキラ輝いていたことや大輔くんが玉子焼きを作って優子に食べさせたことを話す。


 大輔の母親は「ありがとうございます。」と泣いてしまう。


優子の母親「心配しないで、私達は味方よ。みんなで一緒に成長しましょうね。この子の魅力ある笑顔は絶対に守るわ。」



 大輔の母親は深々と頭を下げて大輔と家に帰る。


大輔「おかあさん。かなしいの?」


母親「すごーく嬉しい時も涙出るのよ。今ね、大輔が頑張ったから嬉しいの。」


大輔「たのしかった。ゆうちゃんのたまごやき、すごーいおいしかった。おうちでおしえて。」


母親「いいわよ。一緒に作ってお父さんに食べさせてあげようか。」


大輔「うん。」



 玉子焼き作りは、大輔が初めて強い興味を示したことだった。


 家に帰ると母親と一緒に玉子焼きを作ると一生懸命テーブルに運ぶ。母親の作った料理も並べると父親が帰ってきた。


 みんなで食卓を囲む。


母親「お父さん。玉子焼きの味どう?」


父親が食べると「美味いな。」と。



母親「大輔が作ったのよ。」


父親「本当か!大輔すごいな。美味しいよ。」


 大輔が満面の笑みを浮かべると家がパッと明るくなった。



 大輔が寝ると2人で話す。


父親「大輔のあんな笑顔初めて見たよ。」


母親「優子さんのお母さんが、あんなキラキラした笑顔は見た事ないくらい素敵だったって。」


父親「そうか。感謝しないとな。今日はいい1日になったよ。」



 楽しい思い出を思い出しながら幸せそうに眠る大輔を見守る2人だった。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ